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2016年8月 1日

花き業界のカギは小売業。花き卸と仲卸はリテールサポートせよ!

 花の消費が活発化する為には、小売店の頑張りが欠かせない。小売店には、新しい花との生活を提案する専門店、買い物コストの削減の量販店。そして、玄関や出窓、庭等の、人の生活空間に似合う花を販売するホームセンター、花の買い物時間を削減するインターネット販売やカタログ販売の、以上四つが生活者にとって必要である。

 専門店が新しい需要を創り出し、人々に広くその花が「素敵ね」と認知されるようになると、生産量が増えるので、量販店が取り扱うようになる。従って、フランスやドイツのように、専門店が仕事花も含み、全体の半分の花を販売し、その中でも、チェーン店が全体の三割を販売、活躍するということが起こっている。チェーン店がフランスやドイツでここまで取扱シェアを伸ばしてきたのは、パパママストアの個人経営の店より、やる気が高いことに起因する。社内でも研修を行い、社外の勉強会にも赴く。また、他業界の良い所も取り入れる。店舗の社員が有給休暇を取得しても店が廻るようにする。顧客カードを作り、お客様の好みを良く知る。こういったことを、個人経営のお店よりもしっかり行ってきているからだ。繁盛の秘訣は、何てことはない。当たり前のことだが、時代と伴に生きてゆく、お客様と伴に生きてゆくことだ。一部の優良店を除いて、専門店ではチェーン店よりも努力が足らなかったのだろう。何か残念だ。
 
 今、大田市場花き部でも、団塊世代の専門店がリタイアの話をしている。それならば、例えば、人を雇って店員さんに店舗をやって貰ってはどうだろうか。行きつけの小料理屋さんがあるように、行きつけの花屋さんがあるということは、地域の住民にとっては有り難いことだ。

 小売店の数は、これから減っていく。これは人口動態上、やむを得ないだろう。そして、若い経営者や頑張っている花店が、行場を失ったお客さんを吸収する。それは商店街のお花屋さんであったり、駅周辺やショッピングセンターに出店したチェーン店であったりする。今、ちょうどこういった、チェーン店が活躍する現象が日本でも起きている。フランス・ドイツでは勝負がついた。日本では、この方向に向かっていることが分かっていない小売業界の人たちが多い。花屋さんの力が、花き業界に大きく影響する。花屋さんたちは、自分が頑張らないと花き業界が萎んでしまうという事実を知らない。花き業界の発展は、小売店の肩にかかっているということを自覚してもらいたい。だから、卸・仲卸についても、まず小売店のリテールサポート、次いで、産地サポート。これらの重要性を再認識し、実行して欲しい。

投稿者 磯村信夫 : 2016年8月 1日 15:49

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