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2016年10月24日

農業関連改革は本気だ

 先週の金曜日、自民党本部で農林水産業骨太方針策定PTの会議が開催された。花き生産協会が出席するにあたり、小泉進次郎委員長の要請で、花き流通事情説明のため小生も出席してきた。会議の中で、平将明衆議院議員が「商社不要論と同様に、卸売市場不要論があるが、市場は重要であると思っている。政府はどのようにお考えか、ここではっきり考えを伺いたい」と質問があったが、小生には詰問に聞こえた。これに対して、農水省の礒崎副大臣より「卸売市場は大切な機関である。但し、今後は法改正も含め、時代に合わせた改革が必要である」とのご発言があった。22日の日本農業新聞では、この平議員の記事と米卸・神明の藤尾社長の発言の記事があったが、卸売市場のやるべきこともまさに一緒で、消費者に近い分だけ、卸売市場として物流加工や製品加工を行う。そして、商品開発等を行っていくことが必要である。

 当日は、米・製粉・卸売市場の三つの業界が呼ばれていたが、いずれも大手企業の日清製粉を除き、大きくて中堅、殆どが中小零細会社の業界である。これを、生活者と生産者の為、大規模小売店と普通の価格交渉が出来るだけの規模にし、需要を増やす為に海外にも輸出出来るような人材や施設等を有する仲立ち業になる必要がある。会議は、その為に国は指導をしていくべきはないかという、踏み込んだ見解が漂う雰囲気であった。実際の発言はその場ではそこまでなかったが、日本の人口動態や、特に、農業生産の実態を見た時、今やらなければ、この国の農業は壊滅するという危機感をひしひしと感じた次第である。

 かつての農商務省は、経済学者マルサスの思想を受け継いだものであったが、現在のオランダの、経産省の中に農業があるという考え方が、現代の先進国の主流な考え方になってきている。懐かしさや、変わらぬことへの安心感。これをベースに、農業関係の生産から流通は、規制や補助金で守られてきた。これを、ファーマーズマーケットや道の駅等の、肌と肌の触れ合いといった"ぬくもり産業"は残すものの、一方には、ビジネスベースで成長しうる産業として、仕事のやり方とルール作りを行えるよう、国は舵を切った。

 読者の皆様方に生鮮食料品花き産業を担う方がいらっしゃれば、今迄のように繰り返し行うことの幸せは、次の体制や仕事のやり方が確立されるまで、しばらくお預けして頂きたい。今日から、もっと生産性を上げる、取り組み方を変える、また、無駄を排除し、必要なもの、儲かりそうなものに投資をする。ここに頭と時間を使って仕事をしてもらうようにお願いする次第である。まず、過去の安住、楽しかった繰り返しの日々を捨てるところから出発して貰わなければならない。

投稿者 磯村信夫 : 2016年10月24日 12:39

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