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2005年5月 3日

Vol.3.5 富山県高岡市 JA高岡のチューリップ 編

皆様、今期も大田花きからチューリップをたくさん買っていただきましてありがとうございました!今回のウンチク探検隊はチューリップです!
・・・え?旬が終わりじゃないかって??
いやいや?、新たなチューリップ戦はもうスタートしているんですよ。チューリップの今秋デビュー品種決定戦は今がまさに旬!今回はヨシダに代わりまして、当室最年少のヨーコ嬢にリポートしてもらいましたのでどうぞ!

チューリップ生産量・品種数日本一を誇る大森花き

(左から、安藤営業本部長・大森花き渡辺社長・ワタシ・大森花き桜庭さん )

今回の訪問地はチューリップ生産量・品種数日本一を誇る富山県の高岡のチューリップ生産地です。

大森花きの渡辺社長、桜庭(姉)さん、当社の安藤営業本部長にくっついておじゃましました。
富山では県がバックアップしてチューリップの育種を行っていて、まさにチューリップ王国。
まず、富山県農業技術センター野菜花卉試験場(なが?い名前。現地の方も言うのが大変)で最新品種を見学!

現地に着いて感じたことは、空気がおいしい!

さあ!長靴に履き替えて圃場へレッツゴー!

魅力的な品種が勢ぞろい!!

圃場は一重・八重・ユリ咲きなどタイプ別に区切られて栽培。 「今年は寒さの影響で花は咲いたけど、茎が伸びないんです。それと、チューリップは太陽が昇る方向から順順に咲くんですよ。」 と、富山県砺波農業改良普及センターの佐藤さん。 「こんなにきれいな色なんて、市場にいると全然わからないですよ!」 今までに見たことのない個性のあるチューリップを見て感動の連続のワタシ。我を忘れ、写真撮影が止まりません。(この時点で既にデジカメのバッテリーがピーンチ!)

なかでも、ド迫力なのが‘ミランダ’。上の写真でもわかるように八重で大きくてこの色。ラナンキュラスやシャクヤクにも負けない色と大きさで誇らしげに咲いていました。
ミランダに負けないくらいインパクトある大輪系の新品種も続々登場予定です。


ワタシが気に入ったのは‘エリアスマーチン’。
「だんだん色が変わるんです!黄色からピンクに。他にも葉が黄色から茶に変わる品種もあるんですよ。ちなみに枯れるわけじゃありませんから!」と、チューリップ博士の佐藤さん。


こちらの2つは、県育成品種です。

「品種改良は種が出来てから花が咲き、数を増やして、一球を決め、そしてまた増やす。
一つの品種が流通できるようになるまで、10年から20年かかるんですよ。」
すごい、並ならぬ努力が必要なんですね。圃場では、実際一本一本茎の長さや花型をチェックしていている試験場の方がおり、つくづく大変な作業だと感銘を受けました。

なかには、これがチューリップ!?と思うものも。

左の写真は超稀少品種‘新拓’みどりのガクが付いていてかっこいい!
まだまだ増殖中だそう。出回るのが楽しみです。

こちらはパーロットキングチューリップはかわいいだけじゃないのよ!といっているかのよう。 
燃え上がる炎のように生命力を感じます。

他にも、原種チューリップがたくさん!!
花は、星型でかわいい!
そして葉はタコの足みたい!
「これらはスピーシーズといって原種のチューリップで交配用に使います。一株でたくさん咲くから花壇に最適ですね。」
と佐藤さん。

こちらはまだ名前がない品種。
八重のフリンジ咲きです。
切花デビューの日が楽しみです!

次に場所を移動しまして、砺波チューリップ公園で開催されている‘2005となみチューリップフェア’を訪れました。

チューリップ四季彩館の中には、一年中チューリップが展示されていて、いつでも見ることができるそうです。

限りなき青への憧れ

富山県では、昭和30年頃から青系の品種の作出を目指し、数多くの品種改良がされてきました。左の写真は‘サファイアスター’。チューリップの中では最も青に近い色を持つ
といわれている品種です。
しかも原種だというから驚きです。他にも、青?というか紫のチューリップが数多く展示。

バラと同様、青を表現するのは本当に難しいのですね。

独創的なネーミングと人々

またまた場所を移動して、今度は富山県花卉球根協同組合の圃場を見学。 ここで、ご紹介!

左の方が、あの衝撃的な‘夜の帝王’の名付けた生産者の高畑さんです。
「夜の帝王は、クィーンオブナイトの枝変わり品種なんだよ。ボリュームのある花ができたから、女王に勝つのは帝王しかない!って思って名付けたんだ。」
「さっすが!インパクト大ですね。次はどんな名前を!?」
と聞いてみますと、
「次は、羽衣とか天使みたいな和名でいきたいな。」


(これが、高畑さんが次のネーミングを狙ってる品種。)

オランダからの導入品種で、ツボミはピンク、そして咲くと真っ白八重なんです。
二度楽しめるってことですね。
「そう。名前は‘白玉あずき’でもいいっかな?。」 と高畑さん。
「おばんくさいわ?。」となにわ花いちばの高橋さんからきっついツッコミが!(笑)
「‘イチゴミルク’でもいいんでない?」と、めげない高畑さんでした。

最後は清都組合長の圃場へ!

(左から、大表組合部長(英語ペ?ラペラ!)・清都組合長(全然大魔王じゃないって!)・‘夜帝’の高畑さん)

清都組合長は、日本一広いチューリップ生産面積を持つ生産者さんです。

葉を見ただけで、花がわかる!まさにチューリップ大魔王!?(帝王の影響が・・・。)
圃場はほんとにひろ?い!色とりどりのチューリップが咲き乱れていました。

(アイスフォーリス)
ここで、咲いているのは全て球根生産用のチューリップ。花を咲かせて球根を太らせ、すぐ花を切って、6,7月に堀り上げを行い乾燥させて出荷。
そして10,11月に植えるというサイクルを繰り返します。咲いた花は本来であれば捨てるそうですが、各地のイベントがあると摘んだ花を提供するそうです。
一回に提供する本数は20万本と想像がつかないほどの数量。

「すごいお花畑状態になりますね!」
と目の前も頭の中もお花畑になったワタシでした。



JA高岡チューリップ切花生産部会の皆様と市場人


今回訪れた日は最高に天気が良く、太陽のまぶしいい光を浴びて
本当にたくさんのチューリップが元気いっぱいに咲いていて、
お花屋さんに売られているチューリップとは別の顔を見ることが出来ました。

ゴールデンウィーク中、‘2005となみチューリップフェア’ではまさにチューリップが満開とのこと。
ぜひ、富山に足を運んでみてはいかがでしょうか。

また、今回チューリップ生産者さんや、県の指導員の方々とお話ができ、
チューリップに対する気合や愛情が伝わってきました。

本当にありがとうございました。

JA高岡(旧JAといで)の格言

・豊富な品種数で勝負!
・チューリップ育種にコストは関係なし!
・富山の高岡でしか出来ないナチュラル品質!

お花屋さんへ一言・・・

秋から箱も中身も新デビュー!

JA高岡から出荷されているチューリップたち

サザナミ、春、夢、ホリゾン、白雪、夜の帝王(ブラックヒーロー)などなど多種多様!

新品種も続々導入予定です。秋、こうご期待!!

(文責 ふるやしき ようこ)
Copyright(C) Ota Floriculture Auction Co.,Ltd.