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2006年5月 7日

Vol 14.千葉県 三宅花卉園

三宅さんといえば、球根業界の先駆者として知られる育種家。

うんちく探検隊を愛読されてる皆さんなら、モチロンご存知ですよね。
アルストロメリアの出荷最盛期と聞きつけて、4月某日探検隊は一路、千葉県茂原へ。
三宅さんは原種アルストロメリアの育種家でもあります。

おりしも春の全国交通安全キャンペーン実施中とのことで、途中のパーキングエリアには
そこかしこにパトカーの大群が。
「どうぞ?」とおまわりさんから手渡された粗品は、眠気覚ましシートにクーラーボックス(?)など
なぜか実用的。
「交通安全運パン」なる、あんパンまで貰ってラッキー!良いことありそう。

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↑三宅さんご家族。壁に飾ってあるボタニカルアートはなんと奥様の作品らしい!
大変お上手なんでうっとり…写実的なボタニカルを描く観察眼とセンス、きっと育種にも
生かされているに違いない!

1972年から球根切花をメインに花の栽培を始めた三宅さんですが、その3年後には
アマリリスやアルストロメリア等の育種を始め、ミニアマリリスや八重品種を200種類以上
作り出しました。
今流通している八重咲きのアマリリスは、ほとんど三宅さんが普及させたと聞いて二度ビックリ。

(有)三宅花卉園を設立してからはリューココリーネやグラジオラス、イキシャの育種も
手がけているそう。世界のマーケットに向け、順風に乗って航海中。

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三宅花卉園に着陸。
社長、奥様、ご子息の泰行さん、企画デザインをご担当されているスタッフの橋爪さん
そして7000?の温室群が出迎えてくれました。
ここから世界のミヤケストレインが世に送り出されていたんですねぇ…

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いざアルストロメリアの育種現場、ヒミツのハウスに潜入!

【入賞おめでとうございま?す!】

園芸ニュースをチェックしてる方はご存知の通り、今春のコンテストやショーで
三宅さんの花が多数入賞しました。

★第1回ジャパンフラワーセレクション・スプリングショー鉢物部門にて・・・
 アルストロメリア「ロートレイツ」、「ミルフィー」入賞。

★フラワー&ガーデンショウ「個人育種家部門」人気投票では・・・
 第1位 リューココリーネ「ディーセントピンク」
 リューコファンの私にとっても、ほら?やっぱりね!な嬉しいニュースでした。

今後の出荷が楽しみな新品種たち、今後に期待しましょう。

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まずは選花場へ向った探検隊。選花場で出荷を待つたくさんのリューココリーネを発見しました。
大田行きのリューコはどれどれ?目を皿のようにして探しちゃいました。

【やっぱりリューココリーネが好き】

リューココリーネは3月上旬?4月中旬頃まで出荷される、初春の代表花。日本で初め
て紹介された当時は1本数百円!という値段で取引されたらしい。希少な花だったんですね。
三宅さんの人気品種といったら純白のディーセント。

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↑ん!これは珍しい丁子咲きのリューコ。
 右隣 ピンクストライプのリューコなんて市場でもめったに見かけない珍品種。

「リューコだけは毎日どれだけ見ても、飽きることがないの。不思議でしょ?」と奥様。

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リューコ畑でお気に入りの一枚。
よく見るとネットに細ーい茎を通して、仕立てています。風通し良さそうですね。

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ほぅ…とため息がでる美しさ。絞り模様の入り方が独特で、鳥の羽根のよう。
やっぱりこのイノセントな美しさが魅力です。
「これは特に気に入ってる品種なの♪」と、とにかくリューコ好きな奥様。

【原種アルストロメリア】

日本に初めてアルストロメリアが入ってきたのは、大正末から昭和初期頃。
当時は花びらの斑点(スポット)があまり好まれず普及しなかったといいますが…
あのポツポツ(斑点)は、自然界で昆虫を誘うためのものなんですって。
三宅さんは斑点のないスポットレス品種を開発して、大ブレイクしました。

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オリジナル品種 ミヤケストレイン カリオ系【スポッティーシリーズ】
メリアの特徴でもあるスポットを生かした人気品種。
←グリーン系もやっとこさ登場しました。





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カリオ系品種たち。赤から白から、黄色からとにかくカラフルです。
カラフルだけど、和の雰囲気は忘れません。

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↑葉っぱにご注目!ピカピカの銀葉が美しい。

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原種アルストロメリアを見ていると自然のなせる色彩センスに驚きます。
社長は赤黄系がお好きらしい。
スタッフの橋爪さんのイチオシはカゲロイという新品種。(上 画像↑)モダンですね?

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アルストロメリア バリエガータといえば斑入りの葉がステキ。
お隣の赤いボールは迫力の「オバレイ」。

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カラーの洪水に流さるる探検隊!
「命名、カラー・ミルフルール」と隊長。この品種は種が取れず増やせないのが残念ですね。
この不思議カラーは「フキツメザキカラー」という名前で出荷中です。

【フローラルな香りアルストロメリアを発見】

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↑「赤白系は香りを持つものもありますよ」と泰行さん。

【開花ステップ】
utsumuki1.jpg うつむいて?
utsumuki2.jpg よいしょっと
utsumuki3.jpg 開花!
seed.jpg 「完」

【こだわりの有機栽培】

三宅さんは有機無農薬栽培のアルストロメリアを作り続けています。アブラムシやハエなど
害虫対策には念を入れていますがひとたび発生してしまうと大変なんだそう。

【納豆菌で虫ガード】

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あれ?葉っぱに白いポツポツが。
「あーそれは納豆菌ですよ」と泰行さん。えぇっ納豆菌!ナットウキナーゼ?!
害虫対策に納豆菌を空中散布するらしい。漢方から納豆菌から、ありとあらゆる手を尽くして
完全無農薬を維持しているんですね。

有機栽培花にだけを置くお花屋さんってないのかな?
無農薬の花は近頃流行りのオーガニックカフェに置いたり、エステのフラワープールに使ったり
部屋にペットを飼っているお宅でも安心して飾ることが出来そう。
LOHAS(Lifestyles of Health and Sustainability)=健康と環境のためのライフスタイルも
最近の流行ですしね。まずは食べるもの、体に触れるものからオーガニックが浸透して行くのかな。

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【三宅花卉園の格言】

リューコは勝つ花!@社長 
      
至言。そんなふうに言ってもらえる三宅リューコの幸せなことよ…

たった1本でも絵になる原種アルストロメリア。
      
この色と形の美しさ、絵心をとっても刺激する花。

安心、安全な有機栽培花は苦労なくして生まれない。
      
三宅さんの努力に頭が下がります。

今後の育種の動向やいかに?三宅ファミリーの個性と趣味が育種のカギを握る。


【私の格言】


ロハスな時流に乗って三宅オーガニックフラワーを取り入れるべし!
      
無農薬のアルストロメリアを餌に混ぜてみるか?」@社長
本犬の了解無くエディブルフラワーの試食モニターにされそうな三宅家愛犬ジョリーの運命やいかに!?

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三宅アルストロメリアの氷山の一角を知ってしまった私、ますます今後も目が離せなくなりました。
今すぐ知りたい方は飛ばれたし→(有)三宅花卉園 

安全運パンのご利益もあってか今回のうんちく探検も大成功のうちに幕を閉じたのでした。
次回レポートも乞うご期待!

seed.jpg 
「完」

(文責 三浦 彩)

Copyright(C) Ota Floriculture Auction Co.,Ltd.