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2006年5月31日

Vol.15 長野県信州?群馬県 シード会 編

今回は長野県青木村?千曲市、そして群馬県前橋市のシード会産地を中心に探索してきました!

?フラワーファーム沓掛…魂の入った拘りの花作りを目指して!?

  (長野県青木村?シード会)
ガードレールもない細い山道を軽トラックです?いすいっと進む沓掛さんを必死で追いかけて ハウスに到着しました!

huukei1.jpg huukei2.jpg
訪れた時期はちょうどラ・フランスや、アーモンドの木が白やピンクの花をつけてきれいでした。

さて、出荷されている商品はどんな風にそだっているのかな?とハウスの中を覗いていると
水菜?葱?ハウスの中に花と一緒に野菜が?
mizuna.jpg negi.jpg

お茶やコーヒーの出がらしを
肥料代わりに使用している
のだとか。
だからここで育った野菜も
食べられる、安心!の環境
なんですね。



そして、主力品目!ブライダルには欠かせないダスティーミラーのハウスへ。

kutukake.jpg 実は沓掛さんは大田花き初代“その他の草花”担当なのです!
当時まだ未開拓で荒れ放題の品目だった草花類でしたが宝の山だと感じ、「担当させてほしい」と自ら志願したとか。そして、白い葉っぱがなかったのでいいなぁーと思って取り入れたのが
ダスティーミラーなのだそうです。
それから生産者となっても自ら作り続け、今では定番商品となりました!


okina.jpg odamaki.jpg yagi.jpg


       翁草               オダマキ       ギボシの葉っぱを食べる畑荒らしの
                                      犯人はかわいいヤギでした。
           


「園芸図鑑 ア?ワまで見てる?」沓掛さんからの突然の質問に私達二人が固まっていると

「俺噛り付くように見てたよ!」と胸を張っておっしゃったのでした。

図鑑を読むほどの植物好きなのです。

同じく植物好きならば、カラマツ草や翁草、レンゲショウマ、オダマキなど作っているものから想像できるかもしれませんが、特にキンポウゲ科が大好きなようです。

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?ベルテッセン…花はまだ葉っぱの中に隠れてました

?ディセンドラ ピンク ・ 別名 タイツリ草

?ディセンドラ 白→露地物は茎がしっかりと太いです。ラインを活かすならハウスものがお奨め!

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妹の紀子さんが手掛ける『紀子の花』のハウスも見せていただきました。
ここには様々なハーブが育っていました。
「○cmの物を○本欲しいって言ってくれればいくらでも対応します」との事ですよ!
→1年中紅葉しているヒューケラは紅葉ゲイラックスの代わりにもなるのでは?
このところの出荷で丈が短かったのは寒さのせいだということが判明!気候には逆らえません…。


 沓掛さんが目指すのは、“ここに頼めばなんでも揃う!”という産地。
長野県青木村の気候と土壌、そして水に合った植物に拘り抜いているのです。
「あったらいいな!」を叶えてくれるかもしれません。

?千秋園…妥協を許さない花作り??

 (長野県千曲市)
ranann.jpg 残念ながら大輪系ラナンキュラス“ローヌシリーズ”は
出荷が終了したばかり。
ハウスで咲き乱れていました。

しかし、千秋園さんは他にも存在感のある花を作っているのです。 それがトルコキキョウ“コサージュシリーズ”です。 こちらも花の直径は10cm以上!!バラのような巻きがすばらしいトルコキキョウ!
k.pink.jpg k.orange.jpg k.o-syan.jpg
コサージュピンク        コサージュオレンジ       コサージュオーシャン
育苗2ヶ月、植えて4ヶ月、成長する力を分散させず大きな花にする為に最低2週間に1回のわき芽取り…と育てるには手間隙かかってます!
また、コサージュシリーズは放っておくとツル性のように茎が巻きやすい性質を持っているので、それをほどいてあげなくてはいけないのです。トルコキキョウなのに不思議ですね。
seiikutocyuu.jpg wakime.jpg kukimaki.jpg
        ↑生育途中            ↑わき芽              ↑こんなにクネクネに


金子さん曰く、「手を入れてやらないとやぼったいし、しなやかさが出ないんだよ」
「ここまで花の頭を揃えて出荷してる人はいなんじゃない」
自信を持ってお奨めするだけのことはあります!

伺った時期はカラーの出荷も終盤でした。
変形MIXなんて出荷もありましたが奇形のマンゴー発見!
kikei.jpg一部の花屋さんから「味があってよい」「曲がりや奇形ももっと出荷して!」
なんて声を聞いたことがあるのですが、奇形が生まれるのは
成長ホルモンのせいなのだとか。

この成長ホルモンがないと花芽が上がってこないし、多すぎると奇形も多く発生してしまうのです。
そのさじ加減がプロのなせる技なのですね。

確かな腕で作る存在感ある花に今後も期待です。

?マリーハウス…女性の感性で選んだ花作り?

 (長野県千曲市?シード会)
住宅地の裏にハウスはありました。
まずはクレマチスのハウスへおじゃましました。白万重の壁に感激!
hisaesan.jpg shiromanne.jpg
白万重ってしっかり咲くのかしら?と不安なお花屋さんもいるかもしれませんが、出荷時?3日程度でこんなにすばらしい八重に変身するのです。
shiro1.jpgshiro2.jpgshiro3.jpg


次なるハウスは何の花?と思って覗いてみるとぶどう棚ができていました。

budoudana.jpg 「ぶどうの桃太郎をもらったの。夏ぐらいに生い茂って
ちょうど日陰になるので下にクリスマスローズを植える予定なの。
冬は葉が落ちて日が入るしちょうど
良いでしょ♪それにおいしいしね。」
と中曽根さん。
なるほど一石二鳥、ナイス アイディア!ですね。

そして、見るのを楽しみにしていたダリア“黒蝶”。
ハウスの屋根に届きそうな程の背の高さにビックリです。
ハウスの中でもしっかり存在感をアピールしていました。    ↓切ってもこの長さ!採花作業も大変そう。
kokucyo1.jpg kokucyo2.jpg nagasa.jpg                        


その他にも…


tekisennshisu.jpg?temarisou.jpg?marigo.jpg?

?おちょぼ口が可愛いテキセンシス…意外にも花びらは肉厚でした。ぜひ一度触って欲しい!

?てまり草…スプレータイプも見つけました!

?マリーゴールド…中心がグリーン?と思ったらまだ開花途中でした。でもグラデーションがステキ!


立ち居振る舞いも女性らしくてステキな中曽根久枝さんが作るセンス良い花にこれからも期待です!

?南国園…スターチスとは思えない新しい色や形が生まれてます?

 (長野県千曲市?シード会)  
千曲川の程近く、きれいな山に囲まれた場所にありました。
huukeiminami.jpg minamisawa.jpg
                                      南沢さんご夫妻


染野、藤野、瑠璃など和風の名前が多いのですが、名付け親は旦那さまでした。
“大正ロマン”とか“江戸小紋”をイメージするような渋?い色合いがお好きのようです。
でも時には「汚い色じゃない?」と奥さまから非難を受けることも…。
ga-netto.jpg?hanatumi.jpg?shikibu.jpg?

?鮮やかな赤が魅力的な“ガーネット”

?「こんなのどお?」と奥様が切ってくださる花を抱える下坂隊員

?紫式部からとった その名も“式部”


いろんな掛け合わせを試して、気に入ったらメリクロン(=茎頂培養:植物の茎の先端の生長点を取って培養すること)を行うのだとか。だから、他にない色が沢山あります!

bonjeri.jpg raimu.jpg s.sukassyu.jpg

 ボンジェリー           ライム           サマーシュカッシュ

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 瑠璃              パープルマム…花の並びに特徴あり!
                      ブラシっぽいのが嫌いという方にも。

こんな色合いがほしい!と注文したら作ってくれそうです。
色も形も新しいスターチスに注目です!

?関根幸子…癒してくれるような優しい花を届けます??

 (群馬県前橋市?シード会)
以前はブライダルのお仕事も手掛けていらっしゃった関根さん、今でもアレンジ教室の先生をされているので、使いやすさといった視点も考えて作っています。
sekine.jpg hausu.jpg


生産でもバラを作っていたとか。でも今は様々な草花を作ってます。
「なぜですか?」と尋ねてみると、
「長いこと作っていたら野草の方が愛しく思うようになったの。だから私は主役の花に合う花で、脇役の花に徹しようと思っているの」と関根さん。

orien1.jpgorien2.jpgorien3.jpg
オリエンタルポピーのつぼみ。出荷時はこんなツボミでも掌ほどの大きさで、まぶしいほど鮮やかなオレンジ色の花が開花するなんて驚きです。
そして、咲き終わった後のシードもアレンジで使えそうですよね。

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  ハニーサックル            スティックセニョール…食べてもおいしいブロッコリー

ハウスをひと通り見せていただいた後、「矢車草の畑を見せてあげるわね」と案内されたのがここ。

hatake.jpgこの写真で伝わるかどうか分かりませんが、数万本の矢車草のお花畑は圧巻でした。
これならいくら注文がきても大丈夫!!です。
矢車草はハーブの仲間。英名で“とうもろこし畑の雑草”というのだとか。

実はアールグレイの紅茶のCMにも登場したことがあるんですよ!


トラクターで耕すと思いもよらない色が出てくるようです。
yaguruma1.jpg yaguruma2.jpg yaguruma3.jpg


近くの園芸店などにも足を運んで動向チェックしたり、新たな品目を取り入れようと意欲的な関根さんの作る癒しの草花にこれからも注目です。


?おまけ?
inu.jpg関根さんの愛犬。
人懐っこくて ぬいぐるみみたいなワンちゃんでした。

シード会とは、花を愛し、栽培に拘っている育種家・生産者が集う会です。
こちらをクリック!→http://www.otakaki.co.jp/profile/company/seed.html


シード会の格言



・信州で生まれた拘りの花に注目すべし。
・見た目で判断すべからず!出荷時はつぼみでも驚きの八重、大輪に変身する花を使ってみるべし。

・根っからの花好きによって、愛情をたっぷり注がれた花の魅力を上手に引き出すべし。

・欲しい色や形は育種家に伝えるべし!願いを叶えてくれるかも?

(文責 中川美紀)

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