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2006年8月 1日

Vol.19 グリーンバレーファーム & 鮎沢農園

(長野県 岡谷市)
長野県産地訪問第3弾!今回は初のカーネーション産地、グリーンバレーファーム&鮎沢農園へ行って来ました!
くしくも世間は3連休の初日!朝6時に会社を出発したのに、都内を抜けるまでに2時間。
観光へ向かう車に紛れて、なんとか到着しました!
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設立以降 環境や健康に配慮して、低農薬で栽培されているグリーンバレーファームのカーネーション。その栽培方法には拘りがたくさん!代表の鮎沢正浩さんにお話を伺いました。

?出荷を待つ花達に出迎えられて?

始めに選花場へお邪魔したら、出荷を待つ花がお行儀よくならんでいました。 現在、出荷があるスプレーカーネーションです。
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     エトランゼ                  ラパン              ミシェル
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   ウッドストック               Gサファイア               ルーレット

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いよいよハウスへ、と思ったらハウスの外のカラフルで可愛らしい草花に目が止まってしまいました。 自然の野の花の美しさに心が癒されます。
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ハウスは網戸で風通しもよく、創造していたよりも涼しくてホッとした私達でしたが、それには秘密がありました! ハウス内は 風向き、風速、そして内外の温度差を考えた窓の開閉など、全てをコンピューターで管理されているのです。 そうして、花にとって常に最適な環境が保たれているのですね。


?カーネーションの顔を見て健康をチェック!?


鮎沢さんのところの土はフカフカしていて、腕が肘まですぽっと埋まっちゃう、って聞いたんですけど…。
「ホントだよ、やってみな。」と言われ、いざ実験!

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でも、化学肥料を完全に否定されているわけではありません。
「料理と一緒だよ!科学調味料でもある程度味付けできる。でも、不純物も含まれる昆布だしを入れた方が味に深みがでるでしょ!」
と言われて納得した私達でした。

日頃から自分で土の検査をして、窒素量などを測るのだとか。
そして、不足しているものを適度な量混ぜてあげるのがコツのようです。

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「だけど、土の検査して悪い場合があるけど、慌てて不足してる肥料を足すと失敗することがあるんだよね。」
だからプロは、“植物の顔”を見て判断するのだとか。
そして、健康に育っていれば問題なし!
データーだけを見て機械的に判断するのではなく、顔も見て『いつもと違いがあるかな?』と診察しているのですね。
まるで植物のお医者さんのようです。

?花作りへの思い?

ところで鮎沢さんが花作りを始めたきっかけは何か聞いてみました。
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鮎沢さんのお父様は花を作り始めて50年!
生活の手段ではなく、花を作ることを目的として頑張ってこられたお父様の背中を見てきたからこそ、
“消費者が見ていいと評価してくれるものを作る!その為には資財、手間を惜しまず、これをやったら採算が合わないとは考えない”という思いを自然と受け継いでいるようです。
偉大なる先生が身近にいらしたんですね。

そして、グリーンバレーファームは理想的な施設で、最高のものを作る!
というコンセプトの元に3人の生産者によって行われています。

成熟したカーネーション市場で次に流行るのは何か?を常に意識しています。
1番はやっぱり 花保ち、そして日本人好みの色!
「濃い、薄いの中間の色を表現できるのは日本人だけだからね。」と鮎沢さん。
そんな日本人好みの繊細な色を作り出そうと努力されているんです。
そして、花付きのフォーメーション、香りにも拘っています。

さらに、輸送中に花が傷み易かったり、病気が出やすくてハイリスクな為、他産地では作るのを嫌がるような品種もあえて作っているのです。
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     ネボ                     マーロ

こんな品種もあります!
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  インパクトシリーズ スザク             ドナ                  ダークテンポ

「カーネーションは1,000品種あるというのに無難に売れる品種しか生産者は作らないし、花屋も買わない。だから自ら無限の可能性を狭めている。そんな風だから古くさいイメージがあり、値段も安くなってしまっている。他にない復色、香りをもっとアピールするべきなのに。」と熱い思いを語る鮎沢さん!
カウボーイハットがとってもお似合いですが、あれ?切っているのはガーベラ???

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現在は近くの花屋さんに直接卸す程度しか作っていませんが、来秋から市場にも登場します!
「夏場の日持ちしないガーベラのイメージを払拭したい!」と力が入ってます。
たしかに茎の太さにビックリです。

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   グランディーバ                フジ                スノーフレーク

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      ビビット               ミノー
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そして、隠し玉はガーベラだけではありませんでした(?)
マスデバリアも発見!
今はお休みしていますが、いい品種が手に入れば再開の可能性も?

カーネーションを基本にしながら、少しは違うものをやってみたい!と意欲的な鮎沢さんでした。

?老舗の趣き 鮎沢農園さん?

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お父様のハウスも見せていただきました! 昭和43年に木造ハウスから始め、徐々に鉄製へと変化を遂げてきたハウス。

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燃料タンクも昭和43年から使ってます。
以前は申請すれば1/2の値段で購入できましたが、高くなった今でも惜しみなく使って栽培しています。

主力品種のパールピンク、ライラックは、夏場弱くて、病気に弱いことから作るのが難しい品種ですが、淡く、上品な色合いから根強い人気があります。
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     ライラック            パールピンク

でも種苗会社では もう販売していません。
だから、「ここにあるものを世に送り出したい!」 「生きているうちは頑張るんだ!」
さらには、
「来年は母の日に合わせて出荷できるものを増やす」、と意欲満々に語ってくださいました。

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ブライダルでも人気の品種!


最近 私が出席した結婚式でもこのように飾られていました。


グリーンバレーファーム・鮎沢農園の格言



・有機肥料で栽培したカーネーションは、化学肥料だけのものに比べ、色や日持ちに差が出るばかりか、
 「表情のある花」が出来る!

・鮎沢さんにしか作れない定番品種と、毎年 登場する時代に即した新しい魅力のカーネーションに注目すべし。

・夏場でも日持ちがするガーベラの登場に期待すべし。

?おまけ?

雨上がりの帰り道、ちょっと幸せな気分になれました♪

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(文責 中川美紀)
Copyright(C) Ota Floriculture Auction Co.,Ltd.