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2006年10月28日
vol.25 JAあがつま坂上&六合
(群馬県 吾妻郡東吾妻町&六合村)
今回は、群馬にあるスプレーギクと山野草の産地、JAあがつまを訪問しました!
お天気も良く、とても癒される景色でした!
?スプレーギク生産の開拓者!?
(坂下支店 中井 毅彦さん)左から 中井さん、そして今回案内をしてくださったJAあがつま坂上支店 小池さん、と JAあがつま加辺さんです。
なんと中井さんは、群馬で初めてスプレーギクを導入した生産者なのです!
「黄色のパッキン咲きのスプレー菊を試験圃場で見たんだけど、見たことないなぁ、 って思い切って作ってみたけど、でも全然売れなかったなぁ(笑)」 と当時を振り返り、語ってくださいました。
その当時導入したというドラマチックは他産地ですが未だに健在!
綺麗なオレンジ色でとても目を引きます。
こちらは出荷間間近の舞風車。
あがつまスプレー菊の特徴の一つが発色の良さ!
特に夏場はどこよりもキレイです。
その秘密は標高の高さにありました。
中井さんの圃場でも560m、坂上支店の生産者は400m?700mまで点在しているのだとか。
ココは夏でも3,4日しか熱帯夜がなく、クーラーも必要ないほど過ごし易い環境なのだそうです。
うらやまし?い!でもその分冬の寒さはマイナス15度と厳しいようで、寒さに弱い私には耐えられなそうです…(@_@;)
「他産地で作っている同じ菊でも、出荷時期や市場が抱える客層によって需要は異なる。
マンダリンも売れると思わなかったけど、買ってくれる人がいるという事に驚かされると同時に、
面白いと思ってるよ。」と中井さん。
こちらがオリジナル品種で大人気のマンダリン!→
思わず「かわいい?!」と声を上げたくなる花たちです。
マンダリン マンダリンレッド アカチャチャ
←こちらは1輪のマンドリン。
(ややこしいですが、お間違えなく!)
目が細かくて、詰まっているので花散りしにくいのが特徴です!
中井さんはこうしたオリジナル品種の開発にも取り組んでいらっしゃいます。
現在、坂上オリジナルは20品種。
これから、どんな新品種が生まれるか注目です!
特別にまだ名もない花をご紹介!群馬県の試作品種です。
これから出荷されるのでしょうか???
中井さんからお花屋さんへのメッセージ
高冷地の特徴である夏場のストレスがない発色のいい菊をよろしくお願いします!
これからも、他産地ではできないようなリスクの大きな品種を導入したり、お花屋さんのご要望にも応えられるように頑張っていきたいと思います!
?新品種の導入にも積極的に取り組んでいます!?
(坂上支店 霞 彰尚(あきひさ)さん)
霞さんはおととしコンニャク作りをやめて菊の生産を始められました。
花作りの経験は浅いけど、新しい品種を取り入れようとチャレンジ精神も旺盛です。
ハウスのすぐ裏の山では、少しずつ紅葉が始まっていました。
暖冬のせいか、今年は例年に比べて色づきが遅いそうです。
栽培品種をご紹介しますと…
オソルノグリーン イエローリネカー ダークリネカー
ホワイトリネカー レリアス パピオ
オソルノグリーンは、オランダから入ったばかりの新品種!
今年の東京盆から出荷されています。
レリアスの深い赤は大人っぽい色合いですが、蛍光灯の下で見るとビロードのような艶を見せるのがまた魅力的!
市場では見ることができない満開のパピオ。
いつもと違う表情に新たな魅力を発見してしまいました。コロンとした形状と薄ピンクの色合いは女性受けすること間違いなし!?
*レリアス、パピオの今年度の出荷は終了しました。来年のお楽しみです。
7月末の集中豪雨でハウスの中は水浸しに。
そんな天災にも負けず、生き残った菊たちです。下葉はちょっと黄色くなってしまいましたが、花には全く影響なくひと安心です。
霞さんからお花屋さんへのメッセージ
年をとっているけど一番遅く花を導入したから、今までやっていた人に負けないように、新しいものを取り入れてます。
いいものを出そうと心がけているので、今後の商品にも期待してください!
?ラナンキュラスもまもなく出荷開始!?
JAあがつま坂上では7年前からラナンキュラスの出荷もしています。まだこんな状態でしたが、出荷は11月終わりから始まります。
寒いから出荷期間が長いのが坂上の魅力!
5月母の日でも使ってもらえるように頑張りたい!とおっしゃっていました。
乞うご期待♪
…………………………………………………………………………
それでは、坂上支店の東吾妻町から六合村へ移動です! 加辺さんが運転する車を追いかけて、くねくねとした山道を進みました。畑の標高は600mから1200m!この標高差が六合村の中でのリレー出荷も可能にしています。
それでは、80歳以上の生産者が70%を占めているそうですが、“ますます元気な産地 六合村”の栽培現場に迫ります。
?花作りは元気の秘訣!?
(六合支店211番 黒岩 勇さん)ウンチクが溢れ出る“元 校長先生”、そして“現 部会長”の黒岩さんに圃場を案内していただきました。
まずは、セロシア ルージュです。
真ん中の写真はタネを取っているところ。 小さな小さな一粒の種から6本の商品を切ることができるのだそうです。
← “カシワバアジサイ”
日光に当てると、きらきらと輝いてキレイです!
← アストランティア
「長野オリンピックの時うんと儲けさせてもらったの!」と黒岩さん。 残念ながら花もオリンピックも画像はありませんが、メダリストに渡されるブーケに使われていたようです。
←植えて18年のルドベキア。
「虫も食わなくて、病気にもならなくて、草刈りも鎌で簡単にできちゃう!こんないいものないよ!」と会長お墨付きの花です。 なんと、1株から20本ぐらい切れるのだとか。
大品目を栽培する生産者の皆さんからしたら羨ましい話ですよね!
←12月初旬からクリスマスローズの出荷も始まります。
厳寒期に花が咲くクリスマスローズはほとんど季咲きで出荷されるのだとか。
こうすれば暖房費はいらないし、宿根草だから3?5年は毎年花が咲き、手間がかからないんですね。
六合村の花はほとんどがこうした季咲き出荷なのです。
自然のままで、1日の気温差が大きいからこと、目の覚めるような発色よい花ができるのですね
六合村がこうした高原に自生する山野草を栽培するようになった切っ掛けは、かつて偶然 村を訪れたフラワーデザイナーの中山晃氏が山野草の美しさに目を留めたことからだそうです。
以来、六合村の気候にあった、他にない山野草の栽培に取り組んでいるのです。
?黒岩会長のウンチク集! ?
ここで、黒岩会長のお言葉の一部をご紹介します。まずは、六合村の鉄則とも言えるコレ!
★『キレイな(派手な)花には手を出すな!?』
「六合村花はみんな地味な花なの。既に多くのシェアを占めるような大品目は、値段はいいけど
儲からない、だから球根1個から1本しか切れないなんて花は六合村では以ての外」なんです。
それから…
★『六合だけにしかないものを!』
他の人が作っていないものを、または他産地では出していない時期に出荷できるようにと
研究は怠りません!
★『花を作ると心も温まるけど、懐も暖まる!』
★『花作りは元気の秘訣!来年こそはと希望がもてるからやめられない!」
たとえ失敗しても、来年こそは成功するぞ!という気持ちで栽培しているからみんな明るく、
楽しんでいるんですね。
黒岩さんからお花屋さんへのメッセージ
六合の花を使って!そして、お花屋さんから教えてもらいたい。
意外と生産者はどういう花をお花屋さんが欲しがっているか知らないから。
?人気品種の宝庫!?
(六合村219番 篠原啓吾さん)続いて、タクシードライバーを定年退職後に奥さんがされていた花作りを二人で本格的に始めたという、ステキな篠原さんご夫婦です!
ネットでの情報収集や、新しい花を取り入れるチャレンジ精神は、歳を感じさせないほどアクティブです!
まずは、ラナンキュラスのハウス。
燃料使わずにできるものを!と取り入れたのだそうです。
でも、さすがにハウスは二重構造になっていました。
そして、人気品種をたくさん作っています。
黒ほうずき ホトトギス アルケミラ
ホトトギスは、 新品種の“江戸の花”が来年8月から、そして“しののめ”が9月から出荷
されますのでお楽しみに♪
アルケミラは、母の日用にたくさん出荷されますので、期待していてください!
ブラックパール ウメモドキ セダム
ウメモドキは、同じ赤でも光沢が違います!
←寒さが足ず、真っ黒ではないですがシルバーの輝きもステキだと思いませんか?
でもこれも、霜が降りたらおしまいなのだとか。
そして、定番の…
ダスティーミラー “シラス” と “シルバーダスト”
「共撰だけど、導入する花を自分で選んだり、市場と直接 注文のやり取りをしたり…花がある事がとても張り合いになっています」と笑顔で語る篠原さんでした。
篠原さんからお花屋さんへのメッセージ
新しい花を取り入れたり、仲間と時期をずらして六合村の中でも他の人と違うことをやろうと頑張っていますので、これからもお願いします!
六合村の主な栽培品種と出荷時期は…
ルリタマアザミ(7月)・セダム(7月?9月)・アイリッシュアイズ(7月?8月)
ヘレニウム(7月?8月)・水引草(8月?9月)・カクトラ(8月?9月)
フジバカマ(9月?10月)・カボチャ クニマル(9月?10月)・キバコデマリ(10月)
赤づる(8月?10月)…etc
この他にも、たくさん!
周年で他にない、様々な草花や枝ものが出荷されています。
“あがつま坂上”の格言
・標高400m?700mで栽培されるあがつま坂上の菊は発色が違います!
特に夏場はそのちがいが歴然!
・菊の持ち味“花保ちの良さ”と、菊のイメージを変える“お洒落さ”を兼ね備える坂上のオリジナル品種に注目!
“あがつま六合”の格言
・人にも花にもストレスフリーの六合村!花本来の美しさが生きてます!
・六合村は高原植物の宝庫!これからも目が離せません!