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2006年11月23日

vol.27 JA愛知みなみ?シード会編?

(愛知県 田原市)
今回は、愛知県田原市でも旧 赤羽根地区へ。
コダワリを持って花作りをされているSEED会 会員さんの産地を訪問しました!
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伊良湖岬の高台から見た景色です。
見渡す限りハウスが連なっています。
夜になると電照菊明かりが灯り、昼間とはひと味違ったステキな夜景が望めるようですよ♪

?石川昌男さんが作るデザイナー好みのバラ?

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『石川さんの作るバラは、デザイナーさん好み』と言われていますが、どこに秘密があるのか興味津々で訪問しました!

そこへ、ラフなスタイルで登場!

現在、作っている品種は…
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グランス

香りもあって人気品種!

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オンディーノ

作っている人はごくわずかな希少品種!テッセンのような趣きが魅力的です。

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スペランツァ

ミニチュアローズでお花も可愛らしいですが、グリーンとしても使える花!

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アイスバーグ

ティの香りもGOODですが、かっちりしていないラインも魅力的!

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ポロ

イングリッシュローズもどきで純白がまぶしい!

では、人気の秘密を探るべく「どんな事に気を付けて栽培されていますか?」と尋ねると、
「ゆっくり咲かせてるの。」
ゆっくり咲かせる、ですか?
「うん、ゆっくり開かせて、切り前を緩くするように気を使ってるんだよ。
そうしないと、本来の色が出ないから。」

例えば、シャンティは…
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このように蕾の時は朱色ですが、開花するにしたがってくすみ色へと変化するのです。
汚い色が好まれるみたいだから…。だから、鮮やかな色のうちでなく、開いて汚い色になるまで待つんだけど、ゆっくり咲かせるとダニがつきやすくなるし気を使うんだよ!」
「あと、あんまり太いのも嫌がるし…本数切れないけど、みんなと同じことやるの嫌だから!」
と言いながらも、「汚い色がなんで好まれるんだろう?」と頭をひねっていらっしゃいました。

飾る住空間の変化によるものでしょうか?

それから石川さんと言えば、ブルーの染めバラが気になっていたんですが…。
どんな切っ掛けで始められたのでしょうか?
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「ビアンカキャンディーのピンクなんだけど、色むらが出やすくてばらつきがあったの。
でも出荷しないのももったいないし、ブルーに染めてみたんだよ。それだけ!
中途半端なのは嫌だから、皆がやらない事をやって、楽しんでるのよ!」
と石川さん。

yubi.JPGポイントは皆がやらない事に取り組もうとする姿勢にあったんですね。

それから、「お客さんの言う事聞きます!要望を聞いて、それを作るのがプロですから!」
と自信をもっておっしゃていました。


石川さんからお花屋さんへのメッセージhana.bmp


儲けてますか?
お花屋さんが売れないと生産者も儲からないので、頑張って売ってください!

石川昌男さんの格言



・皆がやらない事やってみる!

・『こんな薔薇がほしい!』と言われたら、その願いを叶えるのがプロとしての仕事である!



?根木眞一さんが作るアーティスティックな菊?

CIMG2703.JPG続いてご紹介する菊を見たら、皆さん菊に対する認識が変わります!



こちらが、作り手の根木さんです。 →→→

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根木さんも作っている洋菊の代表で、人気品種のグリーンシャムロック。

それから赤羽根地区では、洋菊というと…
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       ボーグ         セイ オペラレモン
このような素敵な品種も作っていますが、より日本的で、且つ見た目にも新鮮な菊がありました!
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色鮮やかなシルエット!
逸る気持ちを抑え、早速“クラシックマム”のハウスへ潜入です!

CIMG2753.JPG全て“クラッシックマム”としてMIXで出荷されていますが、唯一名前が付いているのが こちらの“クラシックマム ココア”!
名前とピッタリで素敵なニュアンスカラーが魅力的です。
名付け親は、意外にもガッチリとした体型の男性!菊の担当者 田中君でした。

これらは、新鮮に見えますが、実は日本の伝統的な菊!
11月は各地で菊花展が催され、鉢物仕立てでその出来が競われていますよね。
まずはご覧ください。
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 ↑くるくるウェーブが可愛らしい表情のキク↑

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 ふんわりとして、大きなマシュマロのようなキク!

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花の大きさと、花弁の開き方が特徴的なキク!

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花弁が波打って、光の陰影が浮き出そうなツヤツヤした質感があるキク!
思わず触りたくなります。

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渦巻く花弁が開くと、右の写真に変身!!!私の手ほどの大きさがあるんです!

こうした菊を作ることが、江戸時代に流行したと言われています。
そして、品種自慢、技術自慢を見物人と共に楽しむ文化も生まれたのです。
さらには、日本の風土に合った菊は独自の品種も作出されて、日本が誇る
伝統菊となっていったのです。

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こちらは、菊らしくないキク! 花弁がねじれて、とってもアーティスティックなキク!
根木さんが「花弁がねじれて芸が出る!」と表現された右のような菊は江戸菊と言います。

ここで、

江戸菊についての豆知識mame.JPG


寛政?文化期に江戸で生まれた品種で、当時は「中菊」、あるいは「正菊」とも呼ばれていたようです。
いったん平開し、花芯が見えて通常は終わりとなりますが、江戸菊の特徴はここから本領を発揮するところ!!
外弁一重分を残して、内側の弁は外反したり、折れ曲がったり、花芯を包むように日々変化して、最終的には抱え咲きとなります。
この変化する過程もお楽しみください!

品種は異なりますが、このような順で変化します。
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どうです?スゴイでしょ!
目にも新鮮に映る伝統菊ですが、開花の過程でも、また違った表情を楽しめるのです♪

ところで、どうしてこうした菊を切花として作り始めたんですか?という質問に
「日本の伝統を活かさない手はないじゃない!」
「でも、これを切花にもってこようって人はまずいないんじゃないかな…。」とおっしゃっていました。
というのも、花が大きいので重さに耐えられず折れやすくなったり、出荷するにも気を使うし、手間がかかっているんです!

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8月?10月にかけては、暑さの影響で色抜けして本来の色ではないかもしれませんが、周年出荷!
乱れ咲きの菊ですので腫れ物に触るように大事に扱われ、ネットをかけて出荷されています!

  

根木さんからお花屋さんへのメッセージhana.bmp


いろんな素材を提供するので、一般消費者に上手く提供してください!

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根木眞一の格言



・日本の伝統花を活かさない手はない!

・花持ちはもちろん良し!開花途中の変化も楽しめる趣ある菊を使うべし!


(文責 中川美紀)

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