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2007年7月16日
vol.42 広島県 今井ナーセリー
日本を代表するバラの育種家として知られる
今井ナーセリー。
数々のオリジナル品種を生み出す今井ナーセリー育種の
世界を見せていただくためにウンチク探検隊は
広島を訪れました!
?山頂にある野呂農場を目指して?
今井さんは3ヵ所のナーセリー(圃場)を持っています。
今回は瀬戸内海国立公園内の野呂山の頂上にある
野呂農場を見学させていただきました。
曲がりくねる新緑の林道をグングンのぼって頂上を目指します。
「向こうに見えるのが瀬戸内海!冬はカキが美味しいんですよ。」と今井さん。
農場がある山頂は標高790mだそうです。
車を走らせて数十分、野呂農場に到着しました。
ハウス面積350坪、ここではバラと胡蝶蘭を栽培しています。さっそく出迎えてくださったのは農場長の日浦さん。よろしくお願いします!ハウスのバラのことは何でも知っている、たのもしい農場長です。
さっそくハウスの中にお邪魔しました。
?育種のテーマ?
今井ナーセリーで生み出されるバラたち・・特徴は何と言っても品種数の多さ。
日本のバラならではのオリジナリティを目指して、育種に取り組みます。
交配親にするためのイングリッシュローズも、たくさん栽培しているんですね。
イングリッシュローズ特有のアンティークタッチな形や香りがとても魅力的なのは皆さんご存知の通り。 でも、はかなく散ってしまったり(そこがまた良し!とも言われますが)、流通量が少なかったり・・・といった点がお悩み。
そこで今井さん、育種家の出番です。
新しいバラを生み出すためには、まずは良い両親になるバラをそろえます。
今井さんはこれまでの育種の中で、優秀なバラを選抜してきました。
それは株が扱いやすい品種や花付きの良い品種、もちろん花持ちも良い品種・・・「生産者の味方!」と農場長の日浦さんも太鼓判を押すバラたち。
こうした”生産者の味方”ローズとイングリッシュローズを掛け合わせ、生まれたバラはこの通り・・・とても不思議!イングリッシュローズにそっくりな花型や香りを持ちながら、花持ちが良く、生産性にも優れています。
「こういった新しいバラは、これからの流行だよね。」
・・・そうです、このあと今井さんの口から”こういった新しいバラ”の呼び名が発表されるなんて予想だにしていませんでした。
重大発表の前に、今少し多彩な今井ローズの世界をのぞいてみましょう。
?香りのバラ?
今井ナーセリーで生まれたバラには、イングリッシュローズの香りを持つものも多く見られます。こうした香りのバラを選別して保存することも今井さんの育種のテーマ。
今井さんのバラといえば、ブルーの香りとミルラの香りを持つバラが多いようですが・・・「そうそう多いんですよ(笑)ダマスクやフルーティの香りのバラもこれから作りますよ」と今井さん。
ブルーやミルラ、ダマスク・・・バラの香りを知りたい方は
こちらをどうぞ!→http://www.otakaki.co.jp/development/fragrance/index.html
**ブルーの香りのバラ**
ジュンウェーブ ブルーカップアイ
どれも素晴らしく強香です。(商品開発室 調査済み)
**ミルラの香りのバラ**
ラ・ジョコンダ 咲希
フィアンセ フランソワ
?ネオ・アンティークローズがやって来る!?
「こういった新しいバラは、これからの流行だよね。
今年から”ネオ・アンティークローズ”シリーズを作ろうと思っているんですよ。」
ついに今井さんの口から聞くことが出来た、新しい育種のテーマ。
”ネオ・アンティーク”とは何なのか?探検隊も調べてみました。
”ネオ・アンティーク”とは近年、注目のキーワードです。
デコラティブな装飾やアンティークな趣をほどよい匙加減で取り入れた新しいデザインとして、近年のインテリアや家具、ファッションにも取り入れられているので探してみては?
面白いことに、花のトレンドもまた同じ傾向にあるようです。
オールドローズやイングリッシュローズならではのアンティークな風合いの花型と、香りの良さ。その両方を兼ね備えつつ、もっとたくさん長く楽しむ!を叶えてくれるバラ。それがネオ・アンティークローズです。 これから少しずつ選別して行く予定ですが、一体どんなバラが候補に上がっているのでしょうか? ネオアンティーク・ローズの候補を見せていただきました。
「ペオニーピンク」
今井さんおすすめのネオ・アンティークローズ。
アンティークタッチなフォルムが人気の秘密!ミルラの香りがします。
「株が扱いやすくて、花つきも良い。生産性は抜群。」と
日浦さんもイチオシでした。
去る6月に、長崎ハウステンボスで開催されたイベント”ローズセレクション2007”。
今井さんや、国内の種苗会社から寄せられた全90品種ものバラの中から
人気投票を行ったところ、今井さんのオリジナル品種「ゴールデンベルタ」が
第4位に入賞しました!
数輪でも華やかなSPバラ「ゴールデンベルタ」は爽やかなレモンイエローとても涼しげ。黄色いバラは良く人目を引くのか、たくさんのお客様から好評でした。
黄色いバラといえば、父の日に贈るバラ。
日本ファーザーズ・デイ委員会の「父の日 黄色いリボンキャンペーン」にちなんで
黄色いバラを贈るという人が増えたのだそう。
父の日のプレゼントにとどまらず、なぜか黄色いバラというのは目に留まるのか
ピンクに続いて、人気は高め。
黄色は「好奇心」と「知性」をあらわす色、風水効果があるとも言われますね。
1?2本でも部屋を明るく見せてくれるし、パッと明るい黄色は目にポジティブな 刺激をもたらして元気をくれる気がする・・・そんな心理効果があるのも嬉しい。
?今井ナーセリーの格言?
?アンティークタッチな優雅さと香り、花持ちの良さを持つ新しいバラ。
「ネオ・アンティークローズ」がこれからの主役!
?後世もずっと作り続けてもらえる日本のバラ、生産者の味方になるバラを生み出して行きます!
?おまけ * 名付けのヒミツ *?
新しいバラが生まれたら名付けは親の楽しみ、特権でもあり・・
いろいろ考えたくなるんでしょうね!
「う?ん、誰かの名前から取って名付けることが多いかな」と今井さん。
そのバラにちなんで身近な方の名前を付けているんだそうです。
たとえば市場にも流通している「トワカップ」に「トワクイーン」「トワユニークカップ」・・・
これは今井さん、もしかして・・?
「うちの孫の名前です!」
噂の可愛いお孫さん、音羽(トワ)ちゃん!
はるばるハウスの中まで遊びに来てくれました。
(文責)三浦 彩