2007年1月27日
vol.33 愛知県 オオタワークス オオタグループ
(愛知県 田原市)
再び、渥美半島を訪れました!
今回はアルストロメリアを周年出荷!創設から2年半、平均年齢33歳の若さあふれる“オオタグループ”をご紹介します!
?商品だけでなく、施設にも拘ってます!?
まずは、グループでもリーダー的存在の河辺勝己さんのハウスを見せていただきました。 ハウスの中ではこんな品種が咲いていました。カリフォルニア オプティマ アリシア
新品種を導入する時は、河辺さんがまず試作してから皆に作らせるのだとか。
そうすることで失敗の確率がぐっと抑えられるのです。
こちらは、試作圃場も備えています。
ハウス毎に地温を変えて栽培し、生育の差に関するデータを種苗会社に伝えているのです。
「日本のトップになるには、こういうことから始めなくちゃ!」と高い意識を持って栽培に取り組まれていました。
「でも、農業にはマニュアルがない。
天候によっても、その生育状況は大きく違うんです。
種苗会社からの説明もないから、自分で試行錯誤しながらやらなくてはならないんですよ。」
「だから、毎年1年生!そういう気持ちでやらないとダメ!」と栽培の難しさを語る河辺さん。
特に、暑さに弱いアルストロメリアを周年出荷するのは大変なことなんです。
「周年出荷は難しいもんだい、個人じゃ出来ないから皆でやってるんだ。
そういった花だもんで、魅力を感じてやってるだに。」と愛知なまりで語るダンディーな太田社長。
写真右から太田社長、河辺さんご夫妻
そんな太田社長は、以前からハウスや冷暖房システムの設計・施工・販売を営む“温室総合設備 (有)オオタワークス”の経営者。
そして、2年半前に生産者 有志と一緒にオオタグループを設立されたのです。
そうした本職を活かし、ハウスもリサイクル。
昔のハウスで使っていた支柱を継ぎ足して再利用していました。
そして、昨今の原油高。
「温度はケチっちゃいけないけど、石油代はケチらなきゃいけない。
ではどうしたらよいか?と考えて、ハウスを二重にしたり、きちんと閉めたり、設備を工夫したり、自分たちにできることからやってみる!」
そして、「作り手にも環境問題に意識をもってもらいたい!」というのが社長の想いです。
それから、「自慢したいものがあるんだ。ちょっと来てもらいたいんだけど。」
とおっしゃる太田社長の後をついて行くと…
暖房で出た熱を再利用する装置“エコノマイザー”がありました。
これによって、熱効率が5%以上も異なるのだとか。
「ちょっと自慢できるでしょ!」とニッコリと微笑む社長。
あっ、クモ発見!
クモがいるということは、ハウス内の環境がちょうどよい湿度に保たれているという証拠!
普通、虫は栽培の敵と思われがちですが、クモは栽培環境のバロメーターになるのです!
これが、乾燥しすぎるとダニが出てきてしまうのです。
そして、熱のリサイクル効果はハウス毎の原油タンクのメーターからも伺い知ることができました。
左がこの装置を取り付けたハウス、右が従来のハウスのタンクです。
原油高で新しいものは買えない。だから業界の活性化の為にも自分達のノウハウ活かせる仕事をしようと思って…。結果が見えれば皆やりたがるでしょ!これからの農家はそういうことも考えなきゃ生き残れない、だから、きちんと考えていかなきゃいかんよ!」
経営など農家の不得意なところを社長がカバーし、作ることに専念する人と、売ることに専念する人とが結束した事がオオタグループの強みなんですね!
?オオタグループ全員集合!!?
さすが平均年齢33歳、若いです!
そして、会長はなんと25歳!皆に「ともっち会長」と呼ばれていました。
「年をとったのが上にいると押さえつけちゃう。だから若いのがいいんだよ。
俺達も言うこと聞くし、相談もするよ!」と河辺さんら先輩達からの信頼も厚いのです。
前列左から 原邦寿さん、会長・小野智久さん、社長・太田勇一さん、出荷担当・今村恵一さん
後列左から 神谷良さん、稲垣 福子さん、小久保伸輝さん、青木洋征さん、河辺勝己さん、
荒木英行さん、惣ト由晴さん
まるで大家族のようです。
和気藹々とした雰囲気の中にも、社長である太田パパの一言によってピシッと空気が引き締まる感じが伺えます。
何といってもココの強みはチームワーク! 太田社長の統率力とグループの結集力で周年出荷が可能に。 「“花作り”は“人作り”から始まる!」と太田社長はおっしゃいます。
そんな社長は何事に対しても真剣! 遊びも真剣!? 突然、集出荷場にあるパターゴルフに集中!
「これからの農業は、生産者ではなく経営者であるべし!」 と自らできることを提案したり、コンサルティングのような役割も担いながら、渥美農業全体の活性化の為にご尽力される日々なのです!
?コダワリの天恵緑肥(てんけいりょくひ)!??
コダワリの一つ、肥料です!
なんと、ゴミになってしまうアルストロメリアの葉を集め、発酵させて黒くなった状態の水分を液肥として利用しているのです。
⇒⇒
葉にはいいものがいっぱい詰まっていて、土に混ぜると柔らかくなるのだそうです。
微生物も発生しやすい良質の土から、良質のアルストロメリアが生まれるのですね。
でも、こうした肥料は継続することに意味がある!言ってみれば漢方薬のようなものだと教えてくださいました。
この他にも、オオタグループにはコダワリの商品作りのための細かい決まり事がありました。
★切ったら何分以内に水揚げをする!
★その後、何時間以内に出荷する!
★光の透過率が異なる為、ハウスの素材によって植え付ける品種が異なる!
★グループ内で品質差が生じないよう、品種によってハウス内で植えつける場所を同じにする!
といったコダワリようです!
それから…
1ケースにも満たない半端ものを集めてミックスして出荷しています。
「MIXの方が、小売店さんは使いやすいでしょ!花屋さんにいかに儲けてもらうかを考えてますから。
商品価値を高める為に、グループの特徴を活かして色バランスを考えながら詰め合わせているんです。これは他にはできないでしょ!」
と説明してくださいました。
?おまけ?
訪問したその日は、ちょうど勉強会の日。
はるばるオランダから訪日された種苗会社の担当者から直接、それぞれの品種特徴についてレクチャーを受け、新品種の導入について検討会を行いました。
終了後はこんな感じで、フレンドリーに交流するのがオオタグループ流!
でも、年長者の方がはしゃいでます!?
オオタワークスのホームページはこちらから
→http://www.ohta-works.com/
オオタワークスからお花屋さんへのメッセージ
日持ちの良いもの、多品種多量生産を目指して栽培しています!
なるべく多くの人に手にとってもらえるよう、愛情込めて育ててます!
だから、どんなもの使いたいか教えてください!
と同時に、花屋さんに「こんな花送ってきたけど、どういう風に使おう?」と考えさせる生産者になりたいと思ってます!
オオタワークス 太田社長からのメッセージ
太田社長のお話には沢山のメッセージが詰まっていました。
熱い語りのほんの一部をご紹介します。
「量が勝つ時代ではない。
日本一の農業産地として若い人が農業をやりたいと思う環境、農業の魅力を作らなきゃ
嫁さんも来ないようなとこではダメ!!
日本の農業が終わらないで発展するように、そして農業いいじゃない!と思われるように楽しい農業を全国にアピールしていかなきゃ。
そして、渥美半島全体の底上げになればいいと思っている。」
オオタワークスの格言
・植物の漢方薬!天恵緑肥(てんけいりょくひ)による土作りで安全・安心のアルストロメリアを実現!
・土作りも大事ですが、人作りも大事にしてます!
・作ることに専念する人・売ることに専念する人・経営や設備に関するアドバイスする人
3者の結束 + 若さが強みのオオタグループ!
・3Kじゃない、農業の魅力を全国に伝えよう!
★出荷品種一覧★
アスペン エベレスト オニックス オルガ
カリフォルニア キッス ゴールデンソフィア サリナス
スイートフィネッセ ツァリナ デイドリーム ドリームランド
フトロピカーナ ナイロビ ニモ フィネッセ
フエゴ フェニックス プッチーニ ブライダルピンク
ブルズアイ マンゴー レッドベルベット レベッカ