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2011年3月13日

夜来香とフリージアの香り

3月に入り、1年の内で最も多くの芳香花が咲く季節となりました。そしてこの季節を代表する芳香花といえば、やはりフリージアではないでしょうか。

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フリージアの香りはバラ、沈丁花(ジンチョウゲ)、金木犀(キンモクセイ)に次ぐといわれていますが近年フリージアの香りを再現したフレグランスの登場や、スマートでオシャレな花の咲き方が人気となり今最も注目されている芳香花となりました。

フリージアの香りはフローラル(最も花らしい香り)やウッディー(スギやヒノキの香り)で表現されることが多いのですが、最近になって、とある花の香りにそっくりなことが判りました。

それは、夜に強香を放つ花 夜来香(イエライシャン) です。夜来香はガガイモ科のつる性植物で、日本では植物園などでしか観ることができず、一般にはほとんど知られていない植物です。さらに香りは深夜ほど強くなるため調査が難しく、香り表現や近い香りの花を見つけることは非常に困難といわれています。

また、市場に出回る月下香(チューベローズ)やナス科の夜香木(ヤコウボク)もイエライシャンと呼ばれることがありますが、本来はガガイモ科の植物を指します。インターネット等でも、甘い香り・幽玄な香り・きつい匂い、など表現がはっきりしないのはこの為です。

昨年、我が家で夜来香が開花し調査したところ、官能評価(鼻で嗅いだ時に感じる香り)ではフリージアのアラジンが最も近い香りであることが判りました。*香りの強度や成分は異なります。

フリージアの香り成分は主にリナロールという成分で、これには鎮静効果やリラックス効果がありストレスの解消になるといわれています。「フリージアを飾って香りに癒された」、「近くにあるだけで心が落ち着く」という声をよく聞きますがこれらはリナロールによる効果だと思われます。

女性に大人気のフレグランスにクロエのオードパルファムがありますが、この香水にもフリージアの香り成分であるリナロールが含まれています。
クロエはどちらかと言うとフリージアよりもローズ(ダマスククラシック)を基調とした石鹸のようなやわらかい香りですが、近くで嗅ぐとフリージア調のウッディーな香りも感じます。

今年からフラワーバレンタインが開催され、男性にとって花がより身近になり、花屋さんでお花を買い易くなりました。ホワイトデーのお返しや誕生日プレゼントに、天然の香水フリージアを贈ってみてはいかがでしょうか。

(む)

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