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2013
最優秀賞 優秀賞 特別賞 新商品奨励賞 表彰式
(株)大田花き花の生活研究所が持つ各種データを元に、産地別品種をノミネートした上で花業界でご活躍されている方々を審査員としてお迎えし、より客観的な選考を行っております。また、(株)大田花き花の生活研究所では、この結果を元に、花の流行分析を行っています。

◆2013年度 FLOWER OF THE YEAR OTA 最優秀賞

バラ インスピレーション  品目: バラ
 品種: インスピレーション
 産地名: 梶農園

 (宮城県)


■産地様のコメント
 この度は、名誉ある賞をいただき、ありがとうございます。東日本大震災から約3年がたち、少しずつ被災地でも復興の兆しが見えている中で、復活の象徴ともいえる賞をいただきました。被災した農家の励みになるように思います。 宮城県は、夏な冷涼、冬は豊富な日照があり、バラを栽培するに適した産地です。今後とも品質にこだわり、お客様にご満足いただけるバラを栽培出荷してきます。

■所感
 近年オールドローズ系が注目を集めている中、ここで高芯剣弁でビビッドなローズピンクのインスピレーションが最優秀賞に選ばれたことは、明らかな転調を示唆しています。本年はファッションも幾何学模様やストライプ、モノトーンが流行ったように、バラも波状弁やカップ咲きのふんわりと丸くかわいい雰囲気のものよりも、高芯剣弁で発色の良いものがカッコいいとして評価されたということでしょう。宮城県名取市で栽培される梶農園様は、東日本大震災でバラの株だけでも2万株の被害を受け、1年間は出荷出来ないものと思われました。しかし、梶農園の皆さまによる不断のご努力により、なんと半年後には出荷できるまでに漕ぎ着けました。震災から3年近く経とうとしている現在においても、震災後遺症と闘う一方で、大田花きには素晴らしいバラをご出荷くださっています。世相的には、癒されモードをそろそろ卒業して立ち上がろうしている今、強さと美しさとを放つこのインスピレーションから梶農園様の強いスピリットを感じ、共感された方が多くいらしたのかもしれません。

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◆優秀賞

ファレノプシス(鉢) ピントンキング  品目:ファレノプシス(鉢)
 品種: ピントンキング
 産地名: 島田洋ラン園

 (茨城県)


■産地様のコメント
 この度は大変名誉ある賞をいただきまして、誠にありがとうございます。当園は、東日本大震災や、その半年後の猛烈な台風の直撃を受け、数えきれないほどのコチョウラン(ファレノプシス)を失いました。出荷間近だった大輪の花の無残な姿を前に、くじけそうな時もございました。  しかし、お客様がコチョウランを手にされた時に笑顔を思い浮かべ、少しでも美しく良い花を咲かそうと、従業員一同歯を食いしばって頑張って参りました。今回の受賞は最高に嬉しく、何にも代え難い幸せでございます。これからもこの賞を励みに日々精進してまいります。本当にありがとうございました。

■所感
 ファレノプシスにおいても、いままで受賞したようなミディや染めなど工夫を凝らしたものから、王道の大輪の白をいかに完成度高く、更にユーザー視点の便宜を図って出荷するかという点への回帰傾向を見て取ることができます。非の打ち所のない島田洋ラン園さまのピントンキングはあまりにも好評で、全てご注文分で売り切れてしまうという状況がずっと続いています。島田様のピントンキングを出荷箱から出して、白いベールをとった瞬間の衝撃は忘れられません。日々ファレノプシスを見ているはずの私たちでさえ、その素晴らしさ、見事さに声を上げて驚嘆してしまいました。

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◆特別賞

シンビジウム スノーフレーク  品目: シンビジウム
 品種: スノーフレーク
 産地名: 上野緑風園

 (徳島県)


■産地様のコメント
 この度はフラワー・オブ・ザ・イヤーOTA2013特別賞をいただきまして、誠にありがとうございます。  大田花きへ出荷を始めてまだ間もない弊社が、このような賞をいただけることに驚き、また嬉しく思っています。  受賞したスノーフレークは、非常に繊細で温度も必要なのでコストもかかる品種ですが、大輪×白の品種では最高の品種と思い、20年近く作っています。需要がある限り、最高の状態で出荷していきたいと思っています。また、他の品種でも受賞出来るよう努力していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

■所感
 ここでラインフラワーが入賞することが、今までの傾向からの転調が見られるところです。大輪で立体的というキーワードを残しながらも、ラインフラワーの王道シンビジウムが、フラワー・オブ・ザ・イヤーOTA有史以来の初受賞となりました。  ボリューム、大輪でさえも尚、妥協のない花付き、無傷の様相、茎の強固さ、梱包の心配りなど、どれをとっても、上野緑風園様は大田花き担当者も頷く日本屈指のシンビジウム生産者様ですが、中でも20年近く作り込んできた白グリーン系のスノーフレークが選ばれるというのは納得の結果です。

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◆新商品奨励賞

アルストロメリア ブライズメイド  品目: アルストロメリア
 品種: ブライズメイド
 産地名: JA愛知みなみ

 (愛知県)


■産地様のコメント
 この度は、大変名誉ある賞をいただき、誠にありがとうございます。  ブライズメイドはまだまだ知らない人が多いと思いますが、今までのアルストロメリアにはない斬新な花形の段咲きで、花色は淡いピンクです。花持ちも優れていて、冬場であれば1カ月以上の観賞期間があり、一番上のつぼみまできれいに開きます。  我々JA愛知みなみアルストロメリア出荷連合は、皆様に最良の花をお届けできるよう選別を心がけています。これからもより良い新品種を提供させていただきますので、これからもJA愛知みなみのアルストロメリアをご指名くださいますようお願いいたします。

■所感
 アルストロメリアは、花序の高さが揃ったドーム型、また大輪ブームに伴い花弁も大きなものが主流でしたが、ここにきてブライズメイドの4段咲きプラス小輪というのが受けて話題を集め、今回の受賞に繋がりました。小花やラインフラワーへの回帰傾向を見て取ることができます。アルストロメリアにとっては、今までになかった形ですから、新しい領域を広げたといっても過言ではありません。 今後、アルストロメリアの育種の方向性や来年以降出荷される新品種に是非注目したいと思います。

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◆総評・分析


 昨年の最優秀賞トルコギキョウ・セシルピンク(一重)に見られた潮流が、さらに受賞品種全体に裾野を広げました。従来の人気のキーワードであった八重やフリンジ、大輪、立体的などの要素を持つ品目・品種は、固定客を携え殿堂入りしたといえます。 アベノミクスによる景気回復への期待感、2020年東京オリンピック開催決定、ファッションはバブル期の潮流へ一歩回帰、ドラマ『半沢直樹』のヒットなどの社会現象にも見られる通り、2013年は世相的にも明らかなターニングポイントを迎え、生活者心理の向きに変調があった年でありました。また、花にもそれが明らかに反映されました。 本年上半期から王道回帰の傾向が見られるように、本年選考の最終投票においては、花形品目のバラやランに票が集中いたしました。一方で今後の流行を予測するに、ブライズメイドやシンビジウムの入賞に見られるようなラインフラワーや小花系がひとつの流れを作っていくものと思われます。 ただ、80年代に流行った花と全く同じものではなく、一度大輪や八重、フリンジなどの流行経験を経て、過渡期である現在は、相対する要素がミックスされたアイテムの人気が出るでしょう。

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ご協力頂きました皆様に厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。