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2005年2月28日

売れる仕組みを作ろう

今年の2月は昨年に比べて売上高が10%下回ったところが多いようだ。昨年はたまたま凄い寒さで葬儀需要が多かったこと、景気が上昇トレンドに転じていたこと、出荷量が少なかったことで堅調相場となった。本年は台風や日射量不足によって切花、鉢物とも入荷が10%強少なかったわけだが、個人消費が下方トレンドであったこと、地方において米価の下落が響き、兼業農家の副収入(本業はサラリーマンでサイドビジネスが農業。このサイドビジネスでの米の収入が個人消費に与える影響が大きい。)が下がったこと、雪が多く出歩く人たちが少なかったこともあり、思いのほか地方消費は低調に推移した。よって、昨年よりも取扱金額は低かったといえども、凡そ平年並みの商いとなっている。

 “1・2月は個人需要をターゲットにするというより、むしろ葬式・結婚式・ディスプレイ・仏花用にポイントを置いて品揃えをしていく”というのが「専門店」の買い物動向で、「駅中・駅前・ショッピングモール内の店・量販店」は“個人需要向けの品揃え”を心がけていた。残念なのは集客力はあるが、手不足やノウハウ不足から量販店は明らかに売り損なっているところが多いことだ。産地による銘柄の品質差を小売価格に反映させるべく、ポップで説明したり、品出しを機敏にしたり、販売開始前に下準備を十二分に行ったり、開始前の1分間ミーティングを行っていないところがある。これは専門店も同様だが、商売前のミーティングを行わずして、ずるずると販売に入ってしまう。それではその後のやる気と段取りに大きく非効率が生じ、この土日のように取れるはずの3月の先取り日でも売り損なってしまうという売り場が出てくる。売り場によっては心意気に温度差が生じているのではないか。その機会損失があるとするならば、卸・仲卸はこの点をお手伝いする必要を強く感じる。

まずは5Sに基づいた仕事の仕方を徹底することによって、花き業界はあと売上げの1割・2割は簡単に伸ばせるように感じている。

投稿者 磯村信夫 : 18:44

2005年2月21日

大切な冬

  週末、思ったように販売できなかったようで、今日のセリは重いスタートだった。週末お天気が良くないのは困りものである。

さて、きょうから花桃を一面に並べて売る。実質「春」のスタートだ。仲卸通りを見ても、フェイスを多く取り、花桃やら菜花を販売している。今年困ったことは、オランダの球根手当てが少なく、生産量が減少しているアイリスである。特注で事前に用意している買参人もいるが、セリだけでは足りない所が出てこないかと心配である。

この冬、印象に残ったのは買参人の花ひろさんから教えてもらった言葉である。「1年の始まりは冬からだ。」人生も同様、冬をどう過ごすかによって、その後の青春、果敢な夏、実りの秋が決まってくる。花き業界も冬の時期を大切に過ごすこと、これが大切だ。日々の商いの中で色々な事がある。しかし忙しさに紛れてはならないことを花ひろさんから教えてもらった。

投稿者 磯村信夫 : 18:45

2005年2月14日

公私混同が1月、2月前半の低調市況を加速した

  今日はバレンタインデー。春も近づき、散歩をしていると鳥たちが元気になってきているのを感じる。2月後半からは各会社でいよいよ決算期への追い込みがあることだろう。

  さて、今期に入って今まで低調な商いが続いたが、その理由を探ると・・・。

 組織には2つある。一つはゲマインシャフトと呼ばれ、構成員が幸せであればよいとする組織体で、家族や地域社会などがこれに当たる。もう一つはゲゼルシャフトで、目的をもった人為的に作られた組織だ。職場というのは企業は勿論、軍隊や警察まで含めゲゼルシャフトである。

 花き業界はゲゼルシャフトで構成されているが、種苗・資材会社を除き、いずれも小企業・零細企業で構成されている。組織の腐敗とは組織内でいつのまにか本来の目的を忘れ構成員の満足が目的になってしまうことにある。NHKのスキャンダルなどはその一例だが、どこにもそのような落とし穴が待っている。社員の幸福を願うのは目的を達成するため、手段として社員が頑張れるようにすることが必要だからである。ここを意識しておかないと、特に業績が良かった後など、すぐに甘くなり大幅に利益を失う。

 花き業界で難しいのは、構成員の幸せのために農業をやっていたり、構成員の幸せのために花店を営んでいたりする人が少なくないことである。良し悪しはともかくこの事実がある。良いときに公私混同ドンブリ勘定をしているので、厳しくなってもなぜ花を作っているのか、なぜ花店を営んでいるのか、このゲゼルシャフトとしての目的を忘れてしまっている。或いは端から花作りを通して自分の理想を掲げるとか、花屋という仕事を通じて何をしたいのかを考えずに何となしに仕事をしてきたから、どうしても自己都合に陥る。自己都合に陥っている店から我々は物を買うだろうか。自己都合に陥る人を我々は応援するだろうか。我々が物を買い応援するのは、いずれも現実を直視している人である。自分が生きていられるのは、消費者が花を買ってくれるからであり、花屋さんが自分の花を販売してくれるからであり・・・などと「お陰様」「お互い様」と思い、外に向かって積極的に新しい行動を起こしている人たちから買うし、何かしてあげたいと思う。今、花き業界は小企業・零細企業が集まった業界ゆえに、やむを得ないことではあるが2005年1-2月期停滞した。そこで提案する。2005年、この期に小さいからといって自分を甘やかしてはならない。小さいからこそ「山椒は小粒でピリリと辛い」ことが必要だから、もう一度花屋という仕事、花の生産という仕事、花の流通という仕事を通して、何を実現しようとしているのか、全ての人がこれを明確にしていく必要がある。蔓のない企業が淘汰の恐怖心だけで生き延びられるとは思わない。

投稿者 磯村信夫 : 18:46

2005年2月 7日

商売は人

 来年度の採用戦線で、各企業新卒採用数を大幅に伸ばしていることから、競争レベルが明らかに上がってきている。IQは未来を見通すために欠かせないが、どこの企業も定番になってきたEQの高い学生を採用しようとしている。ここ5年間で即戦力の中途採用を増やした企業が多かったが、EQを推し測ったとき高いEQを持っている新卒者をじっくり育てることが企業の将来には欠かせないと気付いたようだ。花き業界はゲマインシャフトとゲゼルシャフトとを混同している人が多く、少し良いと満足してしまい進歩が見られなくなる。売上が頭打ちになるとすぐ縮小均衡策を採る。このようにして、全体から言うと停滞した状況が続いているが、いま一度社内人事や新卒者の採用など、20代、30代の若い力に期待したいものである。

 さて、先週中国の上海で2005上海年宵花会第1回が開催された。日本からは私どもが3ブース、そしてフラワーアレンジのデモンストレーションに日比谷花壇殿が参加した。「日本の花を見てもらおう。こんなにも葉まで均衡が取れている。鉢物もこんなに完璧。」と上海の人たちに知ってもらいたいと思い、日本の花の素晴らしさをアピールした。日本の花き業界で最高レベルの出荷団体と生産者の方に切花で11品目27品種、鉢物で洋ラン鉢4品目を出荷してもらい、ハンドキャリーで持ち込んだ。

 日本の『日本経済新聞』に当たる現地の経済紙の100%子会社が花の新聞を作っているが、業界紙だけでなく一般紙も日本の花の素晴らしさを広く伝えてくれた。将来のお客様に日本の花を紹介できたことは大変有意義であった。

 ご協力いただきました農協・生産者の方々、大変ありがとうございました。

投稿者 磯村信夫 : 18:47

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