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2005年2月14日

公私混同が1月、2月前半の低調市況を加速した

  今日はバレンタインデー。春も近づき、散歩をしていると鳥たちが元気になってきているのを感じる。2月後半からは各会社でいよいよ決算期への追い込みがあることだろう。

  さて、今期に入って今まで低調な商いが続いたが、その理由を探ると・・・。

 組織には2つある。一つはゲマインシャフトと呼ばれ、構成員が幸せであればよいとする組織体で、家族や地域社会などがこれに当たる。もう一つはゲゼルシャフトで、目的をもった人為的に作られた組織だ。職場というのは企業は勿論、軍隊や警察まで含めゲゼルシャフトである。

 花き業界はゲゼルシャフトで構成されているが、種苗・資材会社を除き、いずれも小企業・零細企業で構成されている。組織の腐敗とは組織内でいつのまにか本来の目的を忘れ構成員の満足が目的になってしまうことにある。NHKのスキャンダルなどはその一例だが、どこにもそのような落とし穴が待っている。社員の幸福を願うのは目的を達成するため、手段として社員が頑張れるようにすることが必要だからである。ここを意識しておかないと、特に業績が良かった後など、すぐに甘くなり大幅に利益を失う。

 花き業界で難しいのは、構成員の幸せのために農業をやっていたり、構成員の幸せのために花店を営んでいたりする人が少なくないことである。良し悪しはともかくこの事実がある。良いときに公私混同ドンブリ勘定をしているので、厳しくなってもなぜ花を作っているのか、なぜ花店を営んでいるのか、このゲゼルシャフトとしての目的を忘れてしまっている。或いは端から花作りを通して自分の理想を掲げるとか、花屋という仕事を通じて何をしたいのかを考えずに何となしに仕事をしてきたから、どうしても自己都合に陥る。自己都合に陥っている店から我々は物を買うだろうか。自己都合に陥る人を我々は応援するだろうか。我々が物を買い応援するのは、いずれも現実を直視している人である。自分が生きていられるのは、消費者が花を買ってくれるからであり、花屋さんが自分の花を販売してくれるからであり・・・などと「お陰様」「お互い様」と思い、外に向かって積極的に新しい行動を起こしている人たちから買うし、何かしてあげたいと思う。今、花き業界は小企業・零細企業が集まった業界ゆえに、やむを得ないことではあるが2005年1-2月期停滞した。そこで提案する。2005年、この期に小さいからといって自分を甘やかしてはならない。小さいからこそ「山椒は小粒でピリリと辛い」ことが必要だから、もう一度花屋という仕事、花の生産という仕事、花の流通という仕事を通して、何を実現しようとしているのか、全ての人がこれを明確にしていく必要がある。蔓のない企業が淘汰の恐怖心だけで生き延びられるとは思わない。

投稿者 磯村信夫 : 2005年2月14日 18:46

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