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2005年3月14日

物日のピークに効率化のメスを

 今日は3月最大の出荷と需要のピークである。業界の人にとっては何も不思議ではないが、切花・鉢物が1日おきの出荷であることは他の業界の人にはなかなか理解しにくい。一番の大元は生産者と花店がいわゆる「生業」であって、家族だけで仕事をしている経営体が他の業界に比べて多いからということであろう。生鮮食料品は専門店やスーパーマーケットが中心に販売を司ることになり、しかもわたし達は毎日同じように腹が減るから休みの翌日はともかく、出荷量は凡そ平準化する。青果物とても天気によって出荷量・需要量ともにばらつくわけだが、花は伝統的な花屋さんが頑張ってくれているので、生産者と気が合い、月水金が切花、火木土が鉢物となっている。

しかしこれではたまらない。日本全国の全ての花市場、仲卸、花の配送センターは「今日は雨ではなくありがたかった」と感謝しているはずだ。日本の殆どの卸売会社では、閑散期はともかくも需要期となるとスペースが足りない。次に人手が足りない。これを解決するには切花は日曜日を除く1週間、コンスタントに出荷をする必要がある。そして、組織で動く農協・運送店・卸・仲卸は効率を上げていかざるを得ない。少なくとも大田花きの物流は既にそうなっている。おそらく地域事情によっても違うと思うが、効率良くスペースを回す、効率良く物流機器(トラック・台車・パレット)を回すことがJIT(ジャスト・イン・タイム)に欠かせなくなってきている。

 現在、東京都中央卸売市場花き部連絡協議会では、東京農業大学の藤島教授を講師に招き、今期アクティビティ・ベイスド・コスティング(ABC)を始めようとしている。大田花きでは既にこの取組みをしているが、他の卸売会社の皆さんもABCをやってみると標準とする作業にどれくらいのコストがかかっているかを知ってゾッとするであろう。例えば東京都に提出する品質クレームの事故伝票を1枚作成するのにコストが3,000円もかかっているとわかれば、あらゆる行動に対して標準的作業コストがいくらなのか、手数料自由化前に検証しておかなければならない。

 物日を上手く乗り切るためにサプライチェーンの効率化に取り組まなければ、花き業界の全員が忙しいだけで利益が出ないという状況に既になってきているのである。卸売会社は産地と買参人の物流上の要望を聞き、それぞれの取引にしっかり取り組んでいかねばならない。

投稿者 磯村信夫 : 2005年3月14日 18:40

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