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2005年5月 2日

まず物流改善

 JFTDのテレビコマーシャルはなかなか面白い。あのようなセンスでこられるとこれはどうしても花を贈りたくなってしまう。みどりの日から始まるゴールデンウィークは、今年は母の日で終わる。毎年の例だが、花とみどりが主役の時期だ。このときに合わせて、日本橋高島屋では池坊展が始まり、横浜では(社)日本フラワーデザイナー協会が主催するワールドフラワーショーが開催された。また表参道では草月流が中心となって、花のイベントを催し、5月1日のスズランの日にちなんでスズランを販売しているところも多く見かけた。イベントを企画していた日比谷花壇さんや青山フラワーマーケットさん、プレジュールさんなどが中心となって取り組んだが、売上げは予想していた通りで、今年は開花が遅れたので充分に出回らず、スズランの量が足りない結果となった。また、小売店や量販店では端午の節句の花菖蒲、風呂菖蒲を盛んに売り込んでいる。先日、伊豆太陽農協が晴海トリトンスクエアで花菖蒲の販促を行ったが、15分で完売という人気ぶりだった。

 そして今日は母の日用カーネーションと葉物の入荷が最も多い日である。昼過ぎまでセリが続くほどの大量入荷だ。この時期は花の仕事をさせてもらい本当にありがたいとつくづく思う。

 さて、必要とされているときに供給するのは我々業者として当然のこと。しかし、最近のようにお天気が安定しないと、咲いたり咲かなかったりで約束どおりの日に納品できなかったり、予定より多く出荷され予定通りの時刻に出発できず、結果的に卸売会社でも待たされて荷を下ろすのが朝になってしまうというような結果になってしまう。昨日から今朝にかけては雨だったため、荷を下ろすスペースが足りなくなるということも起きた。

 このような物日の時に物理的な要因(場所・人員・時間)から1日で処理できる量は限られてしまう。とすれば花き業界全体で商物分離、前日集荷など制約条件を取り払う努力をしなければならない。改正市場法で安全・安心が叫ばれているが、これはデメリットがないように、マイナスにはならないように、危険ではないようにしてくださいということだ。言うなれば、マズローの欲求段階の中で一番下の欲求だ。これをクリアーして、更にメリットを提案する業者として、産地・運送会社・市場(卸・仲卸)は顧客に選ばれなければならない。顧客のメリットを提供できなければならないのだ。

 今年の母の日前の産地と卸売市場間のロジスティックを見ていると、相変わらず「しかたない」で済ませようとする甘さがある。もっと取引先のことを考えて、物販50、作業サービス50でサプライチェーンを構築していかないと、結局小売店が売り損なう。小売店が売り損なうと花き業界全体の商い額が減ってしまう。卸と産地は「小売の現場でジャストインタイム」に焦点を当てて物流改善をしなければならない。もう後はない。

投稿者 磯村信夫 : 2005年5月 2日 18:33

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