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2005年6月13日

使命感に燃えて・・・

  5月27日付けの日経新聞の『交遊抄』で、グローバリゼーションを折り込んで果敢に花作りに参入した多和田さんとのお付き合いの一端を紹介した。日経新聞だから、読者層は経済界の方たちが多いと思い、「私が見る限り多和田さんを初めとする若手の花作りたちは尊敬に値する知力や気概を持った人たちばかりで、日本の将来は心配がない」とお伝えした。『交遊抄』を読んで多くの反響があり、友人からだけではなく面識のない方からも感想や励ましの言葉を頂いた。

 小欄でも取り上げたことがあるが、生産者の子弟で研修に来ている人と接すると、日本の花き産業は心配することはないと思う。特にそれはここ3,4年ほど強く思うようになった。それ以前はサラリーマンの家に育った子供たちよりも甘やかされて育ったなと感ずる研修生もいた。しかし、最近は大変立派な厳しい育てられ方をしている。それはそうだ。農場経営者の卵だから、将来社長になるとすると、それなりの人物に育ってもらわなければならないわけである。

では、何が変わったか。ヨーロッパの高校や大学にあって、日本の高校や大学に欠けているのは倫理・哲学・宗教などの科目だが、「如何に生きるべきか」という難問に取り組む姿勢をどこで学ぶかだ。学校ではなく、ご両親やご家族から学ぶのだ。お父さんと直接問答したわけではなかろうが、お父さんとお母さんの生き様から学び、それを実践しているに違いない。もちろん中には学校の先生やTVや本からという人もいるだろう。

教育論に話が逸れてしまったが、花き業界に欠けているものもそこだ。最初に考え、そして事を起こすことが大切なのだ。バブル崩壊後、量的拡大が図られた花き産業に、金銭目的のために参入してきた人たちが大勢いる。その人たちがあまり儲からなくなった。それは当たり前で、どの産業でも昨年と同じようにやっていては儲からない。儲からなくなってからブーブー言うのはおかしいというものだ。もう一度消費者の立場に立った商品政策から始めなければならない。

キーワードは連帯強化のサプライチェーンマネジメント。これにより家庭内需要だけ捉えても、消費量や金額を倍以上増やせる可能性がある。これに向けて努力しないのは私たちの怠慢でなくて何だろうか。もう一度原点回帰し、拡張余地のある消費分野に向けアタックしようと思う。

投稿者 磯村信夫 : 2005年6月13日 18:25

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