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2005年9月 5日

大田花きの前向きな改善はセリシステム投資

今度の衆議院選挙の国民の反応を見ていると、改革への要望がいかに強いかががわかる。かなり前向きに打って出ることができるところまで改革が進んだ企業が多いが、行政の構造や私たち中小零細企業の構造は更に改革する必要があると見ているわけだ。当事者になるとなかなかそうは行かない。いわゆる総論賛成、各論反対となりがちだが、改革ムードの中でセーフティネットを引きながら、一気に改革を加速するというムードが漂っている。何かわからないが、とにかく前向きに打って出るということであろう。

どこの業界でもそんな風で業界というのはゲゼルシャフト、目的を持って作られた組織体の集合だから、本来の役割は何か、新しい時代に合った機能は何か。維新を行う必要があるし、物余りだし、豊かですぐ飽きてしまう商品の寿命は短いから、顧客密着し、提案して打って出ようとしている。一方、ゲマインシャフト(構成員の幸せを一義に考える組織・家族・社会など)で、セーフティネットや職業訓練を行えばよい。花き業界を見ていても「類は友を呼ぶ」で、新たなサプライチェーンが幾つも形成され始めている。産地・運送店・卸・仲卸・小売りによる消費者基点の特定サプライチェーンである。

かつてはまさに調達物流であったが、大田花きの営業では小売店の要望を受けて生産委託して販売することが珍しくなくなってきている。これは21世紀型といえるであろう。市場法が変わり、かつては100%「取引所」を運営するについて、その時代に合わせた明確なルールを規定していることが多かった卸売市場法が、2009年4月からの委託販売手数料自由化が決定されて「取引所」というよりむしろ卸としての自由度を高める、いわゆる「商社」的・「問屋」的な役割を果たせるよう法の規制緩和があった。行政府が卸売市場に証券取引所のような役割を担わせることは難しいと感じ始めたのは、1993年食品流通改善促進法が始まった頃からではないか。だから99年相対取引をセリ入札と同等の手法として位置付けたり、2005年買い付けを自由化させたのであろう。

しかし、大田花きは1990年、セリをコンピュータ化することによって業界の発展に寄与してきた。また今日のアルスメール市場を見てもセリの重要性は維持されており、大田花きはここでセリのシステムを一新し、セリ場にいながら各自のパソコンで購入できるようにしたり、ライブネットオークションも可能にする。これは矜持だが、今までどおり日本の花の指標を生み出していきたいと考えているからである。

投稿者 磯村信夫 : 2005年9月 5日 18:05

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