大田花き 大田花きコーポレートサイトへ
 

« 十条の花屋さん | トップ | 粗利 »

2005年9月19日

若い世代に花き業界を託す

 日本は農産物に補助金を付けているのだが、戦略を明確にしてそれに則った助成をするならまだしも、相変わらず一定の条件さえ満たせば助成金を出すのではそれは前世紀のやり方だ。現在、インドまでのアジア圏で輸出補助金を付けているのは台湾、中国の雲南省政府、インドである。他は例えば韓国やマレーシアなど運賃の助成をしたことがあったが、現在はしていない。日本で問題になるのは運賃だ。だいたいがスポット輸出なのでIATAの基準からしてどうしても割高になる。昨年の11月、ASEAN首脳会議が日本で開催された。日本はアジアの一員として生きようとしているのだから、外交上は上手く進んでいないものの、農産物の輸出と言えばアジア圏で一定のところというのが基本になろう。もう少し広げてAPEC諸国ということであろう。日本はどうも外交の基本戦略が見えないが、農産物の輸出も政府の方針に合わせて補助金を付けるのであれば付けることが必要だ。

 さて、弊社の例で恐縮だが、花き業界には大きく分けて二種類の人間がいる。一つは花き産業で働こうと花き産業を意識して働いている人たち。1990年以降に入社したり、他業界から転入した人が多いであろう。もう一つはそれを意識せず、花の生産や花市場、あるいは仲卸、そして花屋さんに入って働いている人たちである。何となく花業界に入った人は、他の産業との比較や他の経済界のことなどをわかろうとしないし、わかっていない。もちろん以前から花き産業に入り井の中の蛙ではいけないと、社会の中の一つの経済活動が花き産業だと意識している人はいるが、本当に少ない。現在社内でめきめき頭角を現している人たちは、自分が働いている花き業界という一業界は生鮮食料品花き業界であり、嗜好品の業界であり、天候に左右されるが商品回転率と限界利益を追求する業界だということを彼らは知っている。もちろん為替にも敏感で、一般常識は一般企業のサラリーマン並には備えている。こうした若い人たちが新しい日本を作ってきている。これは花き業界も同じである。

 輸出補助金の話に戻ると、基本戦略を練るのは1970年代生まれの人がやるべき時代になっている。それは役所も花き業界も同じだ。時代がそのように動いている。

投稿者 磯村信夫 : 2005年9月19日 17:59

Copyright(C) Ota Floriculture Auction Co.,Ltd.