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2005年10月10日

量販店の仏花は使える

関東地方だけあいにくこの三連休で雨降りが続いている。昨日今日と運動会のところも多いだろうから、きっと団塊ジュニアのお子さん達は、幼稚園の運動会ができず、おじいちゃんおばあちゃんも含め、皆が残念がっているに違いない。このおじいちゃんおばあちゃんを含めて皆で行動することは、デパートなどで買い物をしていても本当によく分かる。

今は家族間で花を贈る機会はあまりないかもしれないが、誕生日には花が添えられていることが大変多い。それは団塊ジュニアの世代が誕生会で花を持っていった習慣があるからで、かく言う小生の孫も誕生日のときに花を贈ったので、8月の家内の誕生日にはその子がバラ一本誕生日にプレゼントしてくれた。

 たぶん女系化していて、娘夫婦が家の側に住むとなっているから、ここをきちっと専門店のお花屋さん達は開拓していってほしい。

さて先週の金曜日、小生の私塾ナルシス会にて都営新宿線江戸川篠崎の会員の店舗競争力を実測するフィールドワークを行った。お花屋さんというのはおかしいもので、ライバルの生花店・園芸店のことはよく知っているが、スーパーマーケットやホームセンター、そしてインターネットの花屋さんのことをあまりよく知らない。ディスカッションしているうちに分かったのだが、駅に隣接しているスーパーマーケット「ライフ」の花が確実に地元のニーズに合ってきている。そしてその分会員の売上が鈍化したことが数字でわかってきた。

特に今年の彼岸のようにお中日前から日曜日にかけて天気が悪いと、「花はついでに買われる」の法則のとおり、生鮮食料品や日配品を買うついでに花を買うとなってしまう。わざわざ花だけ買いに商店街に来てくれない。そしてそのスーパーマーケット「ライフ」の花が、特に仏花は見劣りのしないレベルになってくると、「1日・15日の仏花もここで十分だわ。」となってくる。こうなると物日には仏事の物日が多いのだから、専門店は売れる物日が限られてくる。対策は、結局、昔と同様に御用聞きをして配達もするお取引先の家庭の御用達になる。こうならなくては売上を増進させることが難しくなっている現実がある。

花束加工業者の作る花が良くなっているのは、またスーパーやホームセンターの花が良くなっているのは、21世紀初頭花屋さんが家族だけで経営しようとリストラをした、花の経験があるパート・アルバイトの人達がここに移動したからだ。地元で移動をしたなら需要もわかるし場合によっては消費者と顔つなぎもできている可能性がある。このような現況は日本中で展開されており、集客力の点から、専門店は自分のところが劣るとして、トータルの競争力を考えなければならない。せっかく良い花を揃えても、通りから見ているだけで楽しいわ。と思ってくれる消費者はあまり多くない。店に入ると何か買わなくちゃいけないようなそんな店構えの店がまだまだ多い。商店街の中にあって、「通りすがりの人達が“わーきれい”と見てくれるだけでいいんです。」とオープンカフェならぬオープン花店を目指しているあるお花屋さんは、毎年10%増の売上を作っている。ポイントは、花屋さんにとって仏花のライバルは量販店になったということ。専門店はまだまだ量販店より品揃えは豊富なのだから、できるだけオープンな店造りをすること。この二点が今繁盛店になるために認識すべき重要なポイントである。

投稿者 磯村信夫 : 2005年10月10日 10:22

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