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2005年10月17日

消費は徐々にしっかりした足取り

 東京は生憎の天気が続いているが、昨日の午前中の強い雨の割には大田市場祭りはまあまあの賑わいであった。花き部は大田市場祭りで2つの催しをした。1つは恒例の花の展示即売会、もう1つはお花屋さんの組合が主体となって場内卸が協力して行ったハンギングバスケットなどのデモと展示の他、JFTDの長野大会で最優秀賞に選ばれた工藤準氏のデモであった。この第2部は大田市場内のアーバンホテルで行われた。アーバンホテルには愛知県や千葉県の産地からも出展があり、会場通路をほどよく埋め、来てくれた方々を喜ばせた。私は午後に小学校のクラス会があり、第2部を見ることができなかったが、一部で思ったのはお客様の心理としてまずは仕事、すなわち魚や野菜のお買い物が先、次のお楽しみの花となっていることを実感した。合理性からいえば、重い野菜や果物は帰る前に買う、傷み易いお刺身なども帰る前に買うのが良さそうに思うのだが、人の心理は面白いもので、まず先に仕事をして楽しみはあとに取っておくというわけだ。だから、私たちも上手に切花や鉢物を販売することができた。雨なので心配したが、少なくとも昨年以上には売れた。

 この10月、当然のことながら、台風で被害のあった昨年よりはキク類を中心に単価は半値である。半値といっても例年並だ。お天気があまり良くないので市況に緊張感が足りないが、洋花や鉢物は遅れているのと、必ずしも質が良いわけではないのでこの先が心配だ。


 小売りには2通りの意見を聞く。一つは都市部の繁盛店からで、涼しくなって花が持つようになったので、夏場、あまり花を買わなかった人も買ってくれるようになって、雨でも売上はまあまあですという都市型繁盛店。もう一つは、緑豊かな地方で庭もある家が多い所で、紅葉の時期だし花保ちもよくなって、これから11月の半ばまで1年の内で商品回転率の悪い時期になりますという地方都市の繁盛店である。

 都市型繁盛店とは少し拡大解釈すると、駅中や駅周辺立地やショッピングモールに入っている花店、量販店にテナントで入っている花店など、涼しくなってお客様が衝動買いするようになり、客数が増えていくタイプのものだ。

消費について市況を見ていて確実に景気が良い方向に向かっているという解釈が一つ。また中小零細企業はリストラを本格化して、喘いでいるサラリーマンも多く、デフレに歯止めがかかっていないと相反する感触がひとつある。どちらを強調するかだが、いつの時代にも幾つもの出来事が一緒に起きている。本流ではないが、確実に良い花が評価されているこの潮流に目をやり、積極的に提案していきたい。

投稿者 磯村信夫 : 2005年10月17日 19:53

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