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2005年12月12日

龍頭企業

 昨日は松市であった。若松や門松以外にも、五葉松や根引き松などもっと評価して欲しいと感じた相場であった。それには生け花文化を広める努力を地道にしていかなければならないと強く感じた。
 また、今朝はセリ前にフラワー・オブ・ザ・イヤーOTA2005の表彰式を行った。表彰式にはフラワースピリット代表の上條氏と執行部の倉科氏がお越しくださった。委細は弊社ホームページ上のフラワー・オブ・ザ・イヤーOTA2005の項目をご覧いただくとして、四季受賞品目の特徴として、マスコミ用語で言うと「キャラが立っている」、すなわち「キャラクターが際立っている」あるいは「とんがっている」花であるということだ。背景にはグローバリゼーションの中で薄まらずに活躍していくために求められる資質、人物や物、花に限らずそういう法則が動いているように思う。
 
 皆さんは「龍頭企業」というものをご存知だろうか。中国政府は三農問題(農業・農村・農民)に取組み、龍頭企業を一つのビジネスモデルとしてこれを解決しようと努力し、一定の成果が出てきた。人民公社→郷鎮企業→龍頭企業の流れである。中国政府は2001年から龍頭企業を物心ともに援助してきた。農業の組織化、産業化である。規模の拡大と機械化、農産物の加工、統一販売の3つを実施することによって、日本の農家の半分の耕地面積である中国農家に国際競争力を付けるためと、余剰労働力の2次産業吸収が目的であると言われている。農業は中国のGDPの15%だが、農民は就労人口の58%を締める。今朝入荷した中国産の神馬は龍頭企業のものであるようだ。この龍頭化は上手くいく場合もあるし、そうでない場合もある。

 私自身は日本では農業協同組合や法人、小面積の個人の花作り、いずれも今後とも存続していくべきだと思う。但し、出荷販売レベルになったとき産業としての継続性やロットは必要だと考える。日本では卸売市場が花を見ても160以上もあるから、小口でも受け入れられ販売ロットをあまり重視してこなかった。しかし、切花鉢物とも日本以外の国は中国の龍頭企業、韓国の農協(農協だが、出荷においては個人出荷のグループで民間企業と変わらない。日本の農事法人と言ってもいいだろう。)のように、輸入花の状況はこのようになってきたので、日本の生産者や農協の出荷担当者はスピーディな意思決定とロット、そしてトラブル時の責任の所在の明確化の3つを意識して仕事に取り組む必要がある。

投稿者 磯村信夫 : 2005年12月12日 11:23

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