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2006年1月16日

どんな業種もどこにいても国際競争

今朝の入荷を見ていたら、絶対量が不足しているスカシユリ類で、南米のチリから輸入されたものがあった。今までは南米と言えばせいぜいコロンビア、エクアドル、コスタリカだったのに、日本のまるっきり反対側からも花が出荷されている。日本の専門商社の皆さん方が、世界中の良いものを探してきて、日本のマーケットに供給してくれている様子が本当によくわかる。
 部屋を暖房しているので、真冬には切花でもオオニソガラムのように、花保ちの良いものが珍重される。もちすぎて困るのだが、このオオニソガラムも殆どは南アフリカ産だ。
 土日に茨城県常陸野カーネーション組合の新年会があり、その勉強会で議論したが、常陸野の組合員の人達は「カーネーションはもう既にコロンビア、中国を中心とした輸入品と国産は棲み分けた。今までとってきた方針を推し進め、納期そして情報発信力などをより強めていく。」としている。同席した仲卸の課長さんは、「ご年配の買参人はカーネーションが昔に比べて使われなくなった経過をよく知っているので、今更カーネーションを、という人が多いですのが、若い人の中にはむしろカーネーションを新鮮に感じている人も出てきました。」とおっしゃっている。ガーベラの方が一般的なこの若い人達の世代において、カーネーションをもう一度見直しているのも事実である。
 切花、鉢物ともどの品目もそうだが、グローバリゼーションとポスト産業資本主義下の日本では、質を追求する以外に我々が生き残る道はない。貧しい家の子供が教育によって、末は大臣になれる可能性を人は持つ。この教育とは、我々にとっては勉強や研究、モノを考え出してそして実行することである。新しいものというのはそんなに簡単に生み出すことができるとは思わないが、花き業界でもそれに向けて改善ややり方の見直しをしていく必要がある。何せ種苗、生産、中間流通、小売の全ての花の分野においても消費者や取引先の目はより厳しくなっていて、今までの質や作業サービスではしてもらって当たり前になってしまっている。人やモノが集まるのは当たり前を当たり前に行う会社や人だが、これはゼロのレベルであり、それプラスアルファで初めてプラスに転じる。高く買ってもらわなければ、生活が成り立たない日本の価格まで含めると、日本で仕事するというのはそう簡単なことではなさそうだ。こういうことがどの業界でも分かってきた。質的レベルは日本リーグだが、価格だけは世界リーグの覇者であってよい筈はない。しかめっ面しても仕方ないから、はつらつとニコニコしながら苦しいことを行っている。だから当然日本の花き業界も当たり前に、且つ前向きに仕事に取り組んでいこう。

投稿者 磯村信夫 : 2006年1月16日 11:13

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