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2006年2月 6日

産地との話題は「手数料自由化」

産地に出張したり、産地の方が市場見学されたりする際、2009年卸売市場の委託品販売手数料自由化の話が出るようになってきた。農協や県・経済連の方針――方針というが、現時点ではその人の個人的な考えといっていいだろうが――によってあまりにも色々な意見があるので、一つの形で通せるものかどうか甚だ疑問である。カナダやオランダ、ドイツでセリをしているところは、12月に翌年の様々な課金料金表を発表する。もちろん、事前に生産者団体や卸・小売り団体と交渉した上で締結したものだ。1年ごとに変わらないものとしては台車使用料やバケツ使用料、分荷手数料、家賃、その他各種サービス料がある。年ごとに違うのが委託品のセリ販売手数料、表示と中身との相違や品質のクレームに対するペナルティの罰則・罰金、買参権の値段などである。もちろん買い手に対しては金額ベースで大口と小口は違うし、また品種ごとのロットのまとまりによっても徴収される金額は違う。
オランダの場合には一つ一つのアクティビティに基づくコストを計算し、3つの大きな収入の柱で卸売市場を運営しようとしている。一つは販売手数料で売り手と買い手の両方から頂く。ひとつは分荷サービスなどの各種サービスからの収入、そしてもう一つは事務所を貸したりする不動産からの収入である。
輸入品は水揚げしてバケツにつけるために1本ごとに料金を頂く場合と、売価のパーセンテージで頂く場合とがあるが、今では殆ど1本いくらで卸売会社に支払っている。結局、海外産地は10%以上市場に支払うことになっている。日本人の関係者はよくオランダや海外の市場に行って販売手数料が5%以下と知ると、そんなに安いのかと驚き、日本に戻ってくると9.5%や10%は高いですねということがあるが、それは認識不足というものだ。市場の台車やバケツを使って賃料を取られているとは思わないだろう。しかし、それらは自分の物ではないのだから付帯サービス料を取られるのは当然で、日本もそのような条件で手数料を決めるべきか迷ってしまう。韓国では卸はセリをするだけで場内物流は別の業者、産地は卸と場内物流業者に5%ずつ、合計で約10%払う。或いは、台湾のように売り手と買い手の両方から手数料をいただくというのもある。
これからの2年で今までの慣習を見直し、より合理的で常識的な料金体系にしていくべく、議論を積み重ねなければならない。

投稿者 磯村信夫 : 2006年2月 6日 06:47

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