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2006年6月 5日

花の個人出荷者も組合を大切にする

 先月末、花き業界の重鎮で、元サカタのタネ専務取締役、また弊社の取締役でもあった岩佐吉純氏がお亡くなりになった。享年75と本当に惜しまれるが、岩佐さんの意志を受け継ぎ、花き業界発展のために尽くしていきたい。

 ヨーロッパのアルコールといえば、ワインでありビールであり、ウィスキーであり、ジンである。日本でもそうだが、酔っ払いは本当に少なくなり、かつての西側の先進国といわれた国のアルコールの消費量はいずれも減っている。お茶やコーヒーも同じで、前年比3?5%減というところのようだ。ビール業界では、一定の規模になったところはまだそんなに目減りはしていないが、中小のメーカーはこのままではやっていけないのではないかと、市や州ごとに生き残りの道について検討を重ねている。ドイツやベルギー、イギリスのビールメーカーだけでなく、ボルドーやブルゴーニュのワイナリーもそうで、シャトーといわれる生産・販売を垂直統合した会社はまだ良いが、国内密着型の中小はチリやオーストラリア、アメリカ、南アなど新興勢力に押されて存続が難しいと言われている。もちろんウィスキーにしてもジンにしても同様で、いかに国内産業を守っていくか、中小零細業者はどのようにして生き残っていくかは、業界を超えて世界の先進国といわれる国々の共通の課題だ。
 ではフランスやイタリア、ドイツのワインメーカーや、ベルギーやドイツ、イギリスのビールメーカーはどうしようとしているか。中小は業者だけ集まって出荷組合というブランドを作ろうとしているのだ。農協のような組織もあれば、特定目的会社のようなところがあり、株式会社のようなところもあるが、特定目的協会(協同組合)のような新しいタイプの組織を作るところが多い。地元のメーカーをこよなく愛すのは、どこの国どこの地域でも行なわれているが、世代が代わったり、価格が重要な購買動機だったりするような昨今、中小零細は自国の消費者に覚えてもらうため、地域の人に当てにしてもらうため、一定規模にせざるを得ないとして個人主義のフランスやベルギーでもまとまってきた。

投稿者 磯村信夫 : 2006年6月 5日 00:00

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