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2006年7月10日

筋が通って、キップがいい

 今日は7月盆の最大需要期だ。江戸時代、8割の面積に神社、仏閣、大名屋敷などがあったので、江戸時代一番多かった職人が植木屋だった。町人は2割の場所にひしめていて、長屋住まいをしていた。江戸時代はそのようだったが、明治になって東京を整備するため、たくさんのお寺や神社が東京都下に移住させられた。そんなわけで、千代田区や中央区などには大きかったり有名だったりするお寺や仏閣しか残っていないが、23区の端っこにはお寺が多くある。東京でも、戦前から続く有名な花店は、仏様の花を大切にしてきた花店が多い。

 今、文藝春秋で「私が愛する日本」を特集している。バブルの清算もあらかた済み、新しい日本を作ろうと前向きになった今、国際社会の中で日本はどうあるべきか、日本人はどのような心持ちでそれぞれの問題を対処しなければならないのか、国民一人一人がいやがおうでも考えざるを得ない時代となっている。
僕が市場の取引で感じるのは、産地では福岡のY、買参人では国分寺のGさんや御殿場のHさんのように、筋を通す人、キップのいい人が少なくなっているのが残念ということであろうか。しかし少なくなっただけで、いなくなったわけではない。だから、その人たちにスポットライトを当てて、流通の中での価値観や美意識はこういうものだということを語り継げばよい。

投稿者 磯村信夫 : 2006年7月10日 00:00

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