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2007年1月15日

多様化

先週、筑波山で猪鍋を食べた。猪年だから食べたくなって所望したが、ご利益があるかバチが当たるかわからない。

さてその会場は一つの勉強会であったが、なんと大田花きで販売しているバラの品種は一年間で1,200以上もあるそうだ。そんなにたくさんあってよく覚えられると思う。特にここ10年、品種数が多くなり、担当部署の社員以外、ほとんど名前と現物が一致しない。このことは知識社会と作業サービス社会の一つの特徴だ。病院を例に取るとわかりやすい。例えば内科。ここでも循環器系云々、専門がそれぞれ全部違う。外科も然りだ。大田花きは切花・鉢物・苗物の総合卸だから、総合病院のようにそれぞれがプロとして知識や作業サービスを補充しあい、総合的な良さを実現しようとしている。花き産業が知識社会や作業サービスに対応した産業だと言われるのはこのためだ。一言で言ってしまえば多様化。多様化は中間流通の卸・仲卸に活躍の場を与える。さて、話を戻して知識社会とサービス社会の特徴だが、院長先生が心臓病の権威より偉いとは限らないように花き産業の会社の社長も同じだ。花店でも社長とデザイナーの関係はこれと同じだ。すなわち相対的な地位の問題はそこにすでにないように、社長は組織上の役割として方針決定することにその役割がある。よくオーケストラの指揮者に例えられるのはそのためだ。

しかし先ほど言った心臓病の権威や手術に優れた人、また大田花きの例で言うと、菊のプロや、バラのプロ、IT操作のプロなどは、社長が下した方針通りに動くべきであるが、それぞれは社長のパートナーとして会社を盛り立てていくことが必要なのだ。

大田花きは「30歳代の人たちの好みに合う花を供給するのが今年の品揃えの目標」だが、その方針に合わせて、菊やバラをそのプロは選び、集荷をする。あるいは生産者に作付けのお願いをするなど、そういったパフォーマンスが求められているのだ。

それにしてもバラの1,200にも渡る品種は多すぎる。同じような個性をもったものなら、そこの中から一つか二つだけにする作業をしなければならない。消費者は色や型や保ちや香りで買うだろうから、同系色のグラデーションができるようにしながらも、早急に品種を絞り込む作業をする必要がある。消費者にも買い手にもあまり喜ばれずに出荷され流通されている品種が多くあり、その分生産者も利益機会をロスしているからである。積極的な多様化は良いが、消極的な多様化はだらしなさをあらわし、機会ロスとなってあらわれている。日本中の卸売会社の品目担当者は、この冬の時間のあるときに、自らの顧客に合った品種構成を作るべくデスクワークをしてほしい。

投稿者 磯村信夫 : 2007年1月15日 00:00

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