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2007年4月 2日

花き流通業の今年の進化方向

新しい年度が今日より始まります。花き業界の各社は昨年以上に進化していくことでしょう。今日は年度はじめに当たり、その方向性をお知らせしたいと思います。

1、小ほど小回りが利き進化が早い
日本中の卸売会社でセリ前取引を行っていないところはほとんどありません。三年前と様変わりです。セリの前々日か前日にインターネット定価売りをしていない卸売会社も少数派になってきています。昨年急速に進化したのは、年商15億円未満の卸売会社で、特に10億円未満のところは、ITでいえば携帯電話がそうである通り進化が早く、買い手の仕入れの友として頼りになる存在に育ってきました。今まで卸売市場の卸会社は産地と買い手である仲卸や小売店の間にあったのですが、この進化している卸売会社は消費者と小売店の間にあって、特に小売店との密着度たるもの、それは素晴らしいものだと思います。確かに大口顧客である仕事屋さんやチェーン店、あるいは量販店など、量・質とも要求されるところは大手の卸の顧客でありますが、彼らは中堅以下の顧客をしっかり捕らえたのでありました。今後とも小売店とともにこれら卸は進化していくものと思われます。

2、戦略を持たない仲卸苦戦
これら中堅以下の卸売市場は、業態を仲卸業や問屋業にあわせて進化してきました。「必要なものがあれば注文してください。揃えて届けます。」年商20億円台の卸もこのように顧客維持のため、業態を変化させました。そこで激しくぶつかっているのが仲卸との競合です。当初の予測ではより小売に密着している仲卸が勝ち、卸は売ってやる姿勢では敗れるものと思われていました。しかし、卸はもう後がありません。手数料の自由化もあと2年に迫っています。そんなことから、日本中の卸売市場を見ていると、卸と仲卸がライバルとして競争しあい、仲卸に軍配が上がった卸売市場は少なからずありますが、しかし待ちの姿勢の卸から積極的に顧客のところに出向く卸も多くなり、そういうところが勝ち星を積み重ねています。昨年の夏にはその分水嶺だったようです。そうなると仲卸は二つの戦略を持って、自らの仕事を進化させようとしています。一つはサプライチェーンの中で、小分け作業(ピッキング)に重点をおき、ロスの軽減を顧客に提案する。もう一つは、川下に下りていき、花き業界以外で花を使う法人を顧客にすることや特定の花のチェーン店と組んで、そこの花の仕入れ・配送まで含めたサードパーティーロジスティックスを行なう。この二つが従来のものに加えて新しい戦略として浮かび上がっています。花の仲卸の社長は一代目がほとんどで、魅力ある人物が多い。必ず、一般社会に打って出てくれることでしょう。元気な魚の仲卸はインターネットの初期の成功事例にあるように、『プロ・築地の卸が選んだ魚』のお届けサイトなどが有名ですが、プロの目利きが花の仲卸の売り物ですから、私自身は今後の仲卸の活躍に期待しています。

投稿者 磯村信夫 : 2007年4月 2日 00:00

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