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2007年4月16日

定点観測追加探し

天気が良いと、散歩をしていて時が経つのを忘れる。土曜日の夕方、湯島天神で待ち合わせをしていたが、藤が見頃で思わず見とれてしまった。ちょっと風が強かったけれど、何かほのかな香りがするなと思っていたら、今にして思えば藤の香りであった。それに気付いたのは、昨日国立科学博物館の特別展示“FLOWER 人はどうして花をきれいだと思うんだろう”の展示物の中に藤の香りがあり、嗅いでみたら確かに昨日湯島天神で漂っていた香りだということがわかった。恥ずかしながら藤が良い香りを出す植物だとは思ってもいなかったので新しい発見に感動した。

花の今を見ようといくつか定点観測をしているが、その場所を変えようと思い、昨日この東京湾湾岸地域の高層マンション群を目星をつけてまわった。しかし地価が高いせいか思ったように観測対象となる花店が見つからなかった。新しくできたスーパーマーケットなどにないかと見てみても、きっと入居が決まるその時期、スーパーの売り上げは右肩下がりだったので、スーパーそのものがない。豊洲のように、ショッピングセンターやスーパー、ホームセンターまである場所が例外である。残念ながら計画通り探せなかったので、最寄りの駅の近辺で見つけざるを得ない。新浦安やディズニーランドの舞浜、そこからもっと千葉よりのところには花店があるが、僕が加えたいのは都心に近い湾岸の超高層マンション群を相手にしようとしている花店だ。六本木ミッドタウンには、クリスチャントルチュ、ニコライバーグマンが入り、技にしのぎを削っている。でも羽田から東京駅にかけて、超高層マンションが建っているが、この花店が見当たらない。人は自然から離れ、幸せだと実感することが少なくなってきている。自然から離れているので、あらゆる消費が不満をなくしていくために使われることが多い。お金は不満を少なくするのには役立つが、どのくらい幸せを実感させてくれるであろうか。美しく身を飾るということもそうである。だから鉢物類はどういう鉢が必要かよくわかる。“アウトサイドイン”がキーワードだ。外の自然を中に入れる。もみじの木などはいい例だ。オリーブもそのような使い方をしている。あとの観葉植物などはこの流れとは逆に、一般の人には造花に見間違うようなものが売れ筋だ。では、切り花はというと、一般の人たちから「これ本物ですか」と言われるような花や取り合わせ、それは超高層マンションには合うだろう。でもそれ以外はというと、そこがわからない。家具はもうすでにシャープな中にも日本人らしさのあるものになってきている。その家具に合った花はどういうものか。高層マンションに住む人たちはどのようなライフスタイルで、どのようなスタイルの花を好むのか。それらを提案している花店を私は探してゆく。

投稿者 磯村信夫 : 2007年4月16日 00:00

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