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2007年5月14日

市場神輿(イチバミコシ)

昨日は母の日と神田祭が重なった。神田祭で一番大きな神輿は市場神輿だ。神田多町に市場があって威勢のいい若い衆が大勢いたので、他の町の神輿よりひとまわり大きい。神田から秋葉原へ、秋葉原から大田へと市場は移ってきたわけで、大田市場協会の2階事務所のところにはちゃんと神田明神様の小さなお社があって、それが大田市場を支えている。東一の川田社長から「ぜひともいらしてください」、あるいは「担ぎたい人がいたら」とお誘いをいただいているが、こちら花き部は母の日で大忙し。毎年ちょうど母の日近辺だから、残念ながら神田祭は欠席しつづけている。しかし大田市場で働くものの心意気はこの神田祭と同じだ。

初夏の花といえば、菖蒲が一番の花であろうと思う。今年は暖冬で株がよく充実したから一番花が終わってそれを取ると二番花が出てきて、二番花が終わってそれを取ると脇から花芽が上がって咲く。10本のうち3?4本は三番花まで楽しめる。この透明感を持った花はまさにこの五月晴れの透明感だ。母の日で母と話していたとき、「この年になって菖蒲の良さがわかってきた」という母の言葉から、もう一度玄関に飾ってあった菖蒲を見ると、すっと立つそのすがすがしい姿は気品となってあらわれているように思う。今年は枝物を見直しているが、雑誌の傾向もそうであるように日本古来のものをもう一度日本人の目で見直すことが必要だとつくづく思う。

最後に余談だが、テーマレストランの話。日本ほどテーマレストランが多い国はないといわれている。テーマレストランとは単品料理屋だ。うなぎ屋やそば屋、カレー屋やラーメン屋、とんかつ屋、焼肉屋などなど一つ的を絞って徹底的にそれを追求する。まさに一つの道を極めるがごとくである。よくもまあこういうようにテーマを決めたレストランが残り、活躍しているものだ。生産性の観点からいくと、卸売業はアメリカの半分、小売業は40%、レストランも40%近くという。それは個人経営の店が日本には多いからだと言われている。しかし、だからこそ質の高いサービスがある。これは消費者にとってよいことではないか。生産性を論ずるときに兼ね合いというものがある。質について生産性は語っていないから、どのへんがバランスかということであるが、後継者が育たず店を閉めてしまうところがあるとすれば、それはそれで致し方ない。その分競争が減って消費もちょっと減るが、しかし残った店の生産性は上がってくる。こうして日本は残り物に福ではないが生産性が上がってくる道を少子高齢化の中で歩んでいくことになる。

投稿者 磯村信夫 : 2007年5月14日 00:00

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