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2007年6月18日

事前情報

ASEAN諸国の経済統合とアジア太平洋地域の自由貿易圏について、いつも頭からこのことが離れない。日本は感性豊かな花を出荷し、非価格競争の土俵で戦うことが第一にやるべきことだが、それと同じくらい大切なことが加工用・業務用の花、花束需要や葬儀の花に向けた低コストな花、小売価格の高くて3分の1、基本は4分の1の素材価格でも利益の出る花つくりをすることが必要だ。非価格競争のところが最も大切な主戦場になるが、輸入されにくいものといえば鉢物と苗物となり、そうなると商売上のことだが、大田花きは早く積極的に鉢物を取り扱っていくことが現在お取引いただいている荷主さんに役立っていくことに繋がってくる。ガーデニングブームも終わり、デフレが進行した21世紀初頭、大田花きでは徹底した内部改革を行なった。デフレを受け入れ、その中でも確実な努力が出来る者を営業の核としたのだ。必然、マーケティングマインドに富んだ人間が営業、ロジス、情報システムなどで活躍することになる。そして2005年、大田花きの鉢物の営業体制を刷新し、歴史ある鉢物園芸市場である大森園芸を母体とする大田花きの鉢物スタイルができつつある。2007年に入り好調に営業が回りだし、園芸店やホームセンターが鉢や苗物の売上を落としているものの、専門店や一部食品スーパーなどの鉢の需要はそこを打って好転してきており、そこへ向けて30歳、40歳の消費者へ向けた鉢物を提案し、評価いただけるようになった。やっている方が古ければ、当然作られた鉢や苗は時代に取り残されていく。遊び心もまだあり、しかも仕事のスキルはすっかり磨かれた30歳?40歳前半ここを中心に展開をしていくべきだ。花の場合ボリュームゾーンはもう少し上の年代だが、この世代の人たちに認めてもらえない限り、花き業界の発展、日本の花き生産の発展はありえない。

そこで流通においてもやるべきことがいくつかあります。鉢物生産者や苗物生産者は卸売市場へ事前情報をインターネットやファックスで送り出荷してくることを徹底していく。今から17,8年前、大田市場花き部が開場するとき、僕は大森園芸でとにかく「事前情報がないと取り引きできませんよ」あるいは「できたとしてもどうしても荷物と一緒の情報ではセリ順が遅くなったり、当然セリ前取引ができなかったりなど、あなた自身が不利になりますから必ず事前情報を送って下さい。」と普及活動をしていた。今ではほぼ100%切花では事前情報を出荷先の卸に送ることになっているが、鉢の生産者はそれが徹底されていないので「何も特別なことをする必要はありません。委託品を送るときに当然予定をしてもらわなければならないから事前情報を早く送ること、情報が違ったらそれを刷新して早く訂正することなど、普通の取引上の連絡をするようにして下さい。」と基本的なところからも園芸業界をサポートしていく必要があるようです。

投稿者 磯村信夫 : 2007年6月18日 15:34

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