大田花き 大田花きコーポレートサイトへ
 

« 重陽の日 | トップ | 前日集荷 »

2007年9月17日

仕事の質を上げよ

先週の14日の金曜日、仲卸通りは買出人でごった返していた。母の日以来の賑わいだ。今年は敬老の日の花はあまり盛り上がらないと感じていたが、しかしいざとなったときにやはり売れる。もっと花の素晴らしさをこういう物日に伝えたいのだが、今後とも地道に広報活動や消費宣伝をしていく以外にない。「商いは飽きないこと」とよく言われるが、まさに飽きずに運鈍根で物日をおもしろいものにしていきたい。

業界やその中の会社を見ると、グローバルな業界か日本の国内だけでやっている業界か分けることができる。また首都圏や中京関西圏、あるいは北九州圏はグローバル経済圏だが、地方は日本国内経済だけなのでドメスティック経済圏ということができる。花き業界では種苗業界や花の輸出入の商社はグローバル化しているが、ほとんどが国内のみで完結していると言えるドメスティック業界だ。東京には外国人がたくさんいるので街も国際化しているのがわかる。新しい高層ビルがどんどん建って、景色も都心部は様変わりしている。地方は昔からの良さを保とうと、中には新幹線を反対するところもある。内向きでこのままの良さを残しながら生活していこうというのである。これら内向きの産業や内向きの地域にあっても、グローバル経済の影響を排除することはできない。それは経済学で言う「要素価格均等化の定理」のためだ。

中国製のシャツを買ったとしよう。そのシャツを構成する要素、人件費や工場の土地代、機械代、もちろん素材代、通関や運賃など、これらの中国の要素と日本の要素が均衡化していく。よって日本の人件費が特にドメスティック業界や地方都市では横ばいだったら上出来、下がっていきそうだと経済学の定理は言う。そうなると私たちはどうすれば良いのだろうか。それは量的成長から品質の良いものを買ってもらい安心できる花の買い物をしてもらうこと、また時代とともに進化する消費者価値を的確に捉え、自分の製品や自分の店や会社をブランド化すること。こうした場合、消費者価値によっては、結果として売上を減らさず伸びるかもしれない。そしてドメスティック業界の私たちは物流まで含めた流通改革を行なうことによって無駄を排除していくことが欠かせない。商いとして今までやって来たすべて手仕事の花き業界では、省力化と経費削減をしながら、安心してお客様に買ってもらえる花を提供する。このむずかしいが、当たり前といえば当たり前のことを実行していきたい。

投稿者 磯村信夫 : 2007年9月17日 00:00

Copyright(C) Ota Floriculture Auction Co.,Ltd.