大田花き 大田花きコーポレートサイトへ
 

« 勝手に作るのはもう危ない | トップ | 韓国も切花は午前1時からのセリ »

2007年10月15日

HORTI FAIR

先週はオランダのHORTI FAIRとIFEXが同じ週に行なわれ、忙しい1週間だった。オランダでは花が国策でもありビッグビジネスになっているが、一方イタリアのチコレラはまた新たにオランダの花の輸出会社を買収し、ダッチフラワーグループに次いで、市場を除く花関連業者で第2位の会社になった。一人当たりのGDPの伸びではイタリアは、ドイツや日本と同様、脱工業化社会に十分に適用できず世界順位は下がっているが、生活を楽しむ産業の分野では更に拡大が続いており、チコレラが花に勝算ありとオランダの企業を買収しているのもそのような裏付けがあってのことだろう。

企業買収では日本のタキイ種苗さんがサーヒンを買収した。社長のケーシーが亡くなって、奥さんのエリザベートが、子供が育つまでしばらく社長をするつもりでいたようだが、グローバリゼーションの中で法人サーヒン社が今後とも発展していくためには、タキイさんの一会社として働く道を選んだようだ。ケーシーとは40年、奥さんのエリザベートとは彼女がイギリスにいたときからの付き合いになるので20年以上になるが、これで彼女も肩の荷が下りたことであろう。

同様に今回オランダでは、すでに故人となって久しいが、オランダのライデン大学のユーモア学者として名高かったホットフリーボーマンスの奥さんと会ってきた。オランダも長寿社会になって、女性一人で生活をしていることも多いが、肉親や地域に温かく包まれて生活をしている。70歳を過ぎると、さすがにPCでのEメールや携帯電話は持たないが、しかしそれなりに連絡を取り合い淡々と生きている。そこでも花は欠かさず飾ってある。

オランダのHORTI FAIRのことに少し触れると、傾向として植物は大きくなっている。観葉植物でも葉っぱ一枚が大きくなっており、スタンダードの切花であれば花が大きくなっている。赤道直下の花の産地が増えたからではなく、全体が大きくなっていることに特徴がある。そしてもう一つがラッピングペーパーや鉢など植物を売るときに包む資材の充実だ。年々植物そのものが花き、種苗商とも価格競争を避けるため限定栽培で限定サプライチェーンとなっており、展示会で本当に新しい品種と言うものはもう見ることができない。一般的な花や観葉植物を魅力的に見せ、買わせるためのラッピングペーパーや鉢はまさに洋服のコーディネーションではないが進化しつづけている。そして三つ目はこの分野の進化が一番著しいが、撰別機や播種機などの生産機材と言うか、省力化あるいは均一化マシーンの充実である。花の分野にロボットなどセンサーの技術を使い、日本が車の分野でリードしている自動化やクリーン化をこの分野で実現させている。日本のIFEXも施設園芸展と一緒に行うべきとつくづく思う次第である。産業としての花き産業のあり様は、日本で言うと農林中央金庫と同じ得意分野のラボバンクがマーケティングについての講座を会場で持っていたように、関連資材、機材まで含めて展示紹介し、アジアのメッカになる必要があると感じた。

投稿者 磯村信夫 : 2007年10月15日 00:00

Copyright(C) Ota Floriculture Auction Co.,Ltd.