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2007年11月12日

新しい住環境が新しい花の需要を生む

先月から今月にかけてヨーロッパ、東アジア地域を訪れてみると、日本だけ取り残されているといった印象を持った。平時において国民の関心事は飢えをしのぎ、寒さをしのぎ、夜露をしのぐこと。この段階を脱すると、美味しいものが食べられて、おしゃれが出来て、良いところに住めるようにすること、そして生、老、病、死に対し十二分に慮り、家族や社会の手助けを出来るようにしておくこと。これが政治上、最も重要なことである。

日本は生においては3万人を超える自殺者、老においては年金の問題、食においては偽装、衣は現在最も充実しており、男性もおしゃれを楽しむようになっている。そして花き産業にとって最も大切な少子高齢化にふさわしいゆとりある住環境、グローバリゼーションでも負けないシャープなアーバンライフを演出する都市、ここも耐震構造疑惑姉歯問題から、官が検査するのは良いが手続きが大渋滞し、内装メーカーだけでなく大手家具店の株価も停滞の影響で下がってきている。このようなマイナス点が一時に頻出しているのが日本の現状で、恐ろしいのはこのようなことで政治家や産業界のみならず国民も自信を喪失しているということだ。自信がぐらつき、余裕がなくなると、足を引っ張ったりいじめを行なったりすることに繋がりがちだ。そうならぬよう小さなうちに消火活動し、すでに燃え盛っているような問題に対しては、早さが重要で一刻も早く全力で立ち向かい、火を消し暫定措置をする。その暫定措置の間、抜本的な改革を行う。そのようなことが必要だ。

日本の花き業界だけを言えば、現在停滞している新しい日本の街づくりを一刻も早く再度軌道に乗せることが必要だ。住みかが新しくなると、家具も家電製品も、場合によっては衣類も食生活さえも、車も新しくする可能性がある。このように住は裾野の広い産業だ。せっかく人口が少なくなっていくのだから、それにふさわしいウサギ小屋ではない住環境を整えること、その豊かな暮らしを花き産業はお手伝いしたいと思っているのだ。そこに花き産業のこれからのお役立ちのポイントがある。そこに日本が早く踏み込むよう運動する必要があるが、そのプラスを得るまでは現状の需要に対してモデルチェンジをスピーディーに行い、飽きさせない努力が必要となる。

世界をリードする日本の先進企業が世界の各所で計画されているビッグプロジェクトに参加し、成果を上げている。その影響を受け、日本経済は好転している。しかし内需の問題となると、経済だけではなく政治が重要な鍵を握っている。ここを花き産業としても認識し、打つ手を間違えてはならない。こうヨーロッパと東アジアの諸国から帰ってきて痛感している。

投稿者 磯村信夫 : 2007年11月12日 00:00

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