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2008年1月 7日

2008年1月1日オランダ花市場営業開始

日本の業界紙には記事が見当たらなかったが、2008年1月1日欧米の事業体の新年度スタートの日、ヨーロッパでは新しいオランダ花市場が幸先の良い船出をした。昨年秋、アルスメール市場とオランダ花市場が合併の意向を表し、世界中の花き業界人をびっくりさせたが、EUの独禁法の裁定も取引所ゆえ何ら問題なしの判断となった。フローラホランド(オランダ花市場)やVBA(アルスメール市場)は農協の市場だから、組合員からの投票が必要だ。いずれも賛成が過半数を大きく上回り、第4四半期の10月からは職員のより闊達なコミュニケーションを図るため新しい組織図に基づき人事異動が行なわれ、大変忙しい3ヶ月であっただろうと思うが、新年度取扱金額5000億円を目標に新たに花市場が出発した。

人は1日3回お腹が減るから、1週間で21回、3人家族として63回の食事を生鮮食料品や加工食品、あるいは穀類が家族の健康維持を支えなければならない。逆に言うと食料品産業は1週間で63回のビジネスチャンスがあるというわけだ。一方、大の切花好きも多分家庭に1つ、大の植物好きも平均すると1ヶ月に1回、こういった頻度だろうから、63対1対1/4の取扱金額規模になるのがごく自然だと思う。その中にあって、為替の具合もあるが年商で5000億に手の届く卸売市場がヨーロッパに出来たということは、ヨーロッパの花の価格安定だけでなく世界の建値となり、これを基準に高い安いなどの判断が行なわれ、情報、そして流通まで含め、世界の産業レベルで勝るとも劣らない高い質の仕事を花き業界が行なっていることを世界に示すことが出来る。これは東アジアの我々にとっても大変喜ばしいことだ。

昨年末、サブプライムローンの焦げ付き問題から始まった経済の下降局面で、アメリカ大手の花の問屋が倒産したり、日本でも輸入会社の閉鎖や新規独立など、西側先進国の花き流通業界においては明るいニュースが乏しかった中で、このオランダ花市場の船出は最も喜ばしいニュースだ。世界の産業人の価値観や想いは、フリー、フェアー、グローバルだ。新年の朝刊各紙を読むと、何やら日本や日本の花き産業がシュリンクし意気地がないように書かれているが、これらの記事のようにそんなに内向きになる必要はない。商売が発展したり、会社や人が成長したりするのは、ついている人、努力している人と付き合い、切磋琢磨し、協業すること。経済環境のこの厳しさの中でこそ、我々は中・長期の発展にフリーにフェアーにグローバルに考え行動していくことが必要だ。日本の社会やアジアの社会、そして人々は我々日本の花き産業に何を望んでいるのか、我々は仕事を通して何を人々に与えることが出来るのか、消費者や生産者、小売店のことを仲卸や地方の卸と共々考え行動するのが弊社の役目だが、まさに変革期、良いときに仕事をさせてもらっているとつくづく感じている。

旧東ヨーロッパが新たな顧客となって商売が拡大しているヨーロッパ。その中にあって確実に自助努力を行なっているオランダの花き産業。国の成り立ち、またメンタリティーも違うので、一概には言えないが、しかし日本の花き業界人は同じ目線の高さをもって行動すべきと考えている。

皆様、本年もよろしくお願いいたします。

投稿者 磯村信夫 : 2008年1月 7日 00:00

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