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2008年2月11日

じわじわ浸透 バレンタインデーのバラ ?原産地表示?

時代が流れていると実感するのは、予期せぬことが起こっていることを発見したときだ。ヨーロッパではバレンタインデーというとバラの需要が高まり、卸売価格では日頃の価格の3?5倍になる。少し前の日本での母の日のカーネーションのようだ。日本では母の日にはカーネーションの年間消費量の約1割が消費される。カーネーションの鉢に至ってはほぼ100%母の日で消費されている。これと同じ様にヨーロッパ、北アメリカではバレンタインデーにはたった一日のために年間のバラの1割近くが消費される。予期せぬこととは、大田のセリ場を見るとバレンタインデーで赤や茶系のバラや他の花を贈る、できれば真っ赤なバラを贈ったり、販促用や室内に飾ったりする需要がかなりしっかり湧き上がっていることだ。花はホワイトデーに賭けていたが、どうもそうばかりではないらしい。

冬のバラの生産は今年のように寒いと本当に大変だ。しかし日本のバラ生産者は日本ばら切花協会が絶えず前向きに新しい事象を追いかけ会員に連絡をしているから、ヒートポンプの普及は本当に早く、今後もさらに暖房費削減だけでなく、熱い夏にもクーラーで品質を上げる努力が実りそうだ。日本ばら切花協会を手本に、日本花き生産協会の中でもヒートポンプやラジアントなどの加温設備の検討、省エネ対策など他品目の分野でも早めに取り組んで欲しい。というのも、今年の冬は太平洋側でも日射量が少なく低温で推移しており、温室の設定温度がどうしても低くなりがちだ。場外の問屋の方からだが、「菊の葉っぱがもたないのは温室の温度設定が低いのではないか。花が小さいのは温度が十分足りていないのではないか。」との指摘を受けた。1日と15日で仏花としての菊は必需品だ。その国産の一輪菊の商品性が劣るとなると、そのことはライバルである台湾や中国、マレーシアを利することにならないか。今、農林水産省の花き産業振興室や日本花き卸売市場協会で、小売の店頭で産地表示をしてもらおうという運動をし始めたところだ。原産地をきちんと明示し、良いものは良い、悪いものは悪いと消費者に納得してもらいながら花を流通させる。このことが今花の流通業者にとって重要な新しい仕事である。グローバリゼーションの中、それぞれのシッパーごとのブランドや現地農園のブランドで海外産は評価される時代になっている。国内生産者の皆さんは海外の産地をよき仲間でありライバルであるとしっかり認識し、バレンタインデーのバラの高値ではないが、消費者が日本の誰よりも国際化していることを知って欲しい。フェアーに海外の産地とも競争するのだ。どちらが日本の消費者の満足を勝ち取ることが出来るかの競争である。

投稿者 磯村信夫 : 2008年2月11日 00:00

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