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2008年7月14日

人作りから始める

7月のお盆の入りが日曜日だったため、土曜日から花屋さんはよく売れ、お盆を見直した。例年だと梅雨だし平日のため日常生活に埋没してしまうが、休日にあたればちゃんと式を行なう。店によっては土曜日にもうお店がガラガラになってしまって困ったと言うところもあったと言う。小生は一日早いが土曜日に母のところへ行き、昨日は江ノ島の家内の母のところへ行ってお参りをしてきた。江ノ島は江ノ島神社が日本三大弁天の一つとして有名だが、江ノ島神社の階段を上がる手前を左に折れると児玉源太郎神社がある。日露戦争で活躍し、台湾の発展に貢献なさった方で、軍人として実務家として尊敬している師の一人である。勝運の神として奉られている。

長い間、花き業界はフォローの風が吹いていた。そのフォローの風を実力のうちの一つと傲慢にも捉えてしまったため、21世紀から困る人たちが出てきた。人によっては今を逆風のように言うがそれは誤りで、無風のように言う人もいるがそれも違う。わずかだが風はまだ後ろから吹いていて、努力をすれば一定の成果が得られるようになっている。何故そのようなことを言えるかというと、街中で夫婦でできる小売業はそうは多くない。花屋さんは小料理屋さんと同じで、接客サービスとそして買っていただく花束やアレンジメントにはその店独特の味わいが出ている。そこが花屋さんたるべきところで、「花」というとスーパーマーケットの花売場を思い浮かべるのではなく、花店を思い浮かべ、消費者は買いに来てくれるわけだ。今、街で小資本の夫婦でできる仕事はどんな商売があるだろうか。花店はまだ恵まれているのである。小売店ががんばってくれているから花き業界があるのであるが、しかし高齢化とともに廃業する小売店があるのも事実だ。ではこの先花き業界はどうすれば良いのか。まず人作りからに尽きる。生産者は県立農業大学校で学ぶことが出来る。もちろん四年制の大学もある。小売店にはJFTD学園や東京商科学院専門学校やテクノホリティー園芸専門学校があるが、知識が身についているかというと、率直に言って今ひとつ私には不満だ。実際に花店に勤めた後、さらに自分を高めようとして、オランダ大使館側のフローレンスカレッジで勉強する人がいる。こうあってほしいのだ。提案したいのは、私の生まれ育った大田区では、町工場の後継者や社員を育成するのに、ドイツの徒弟制度が採用しているデュアル方式で、実際に働き、学校に戻って勉強し、また働きを繰り返し、何故勉強が必要なのかを身をもって体感させ、職人を作っている。せり人もそうだが、我々は職人の手によってここまできた。花き産業になって、品物の質やサービスの質を均衡化させるため、システム力が必要になった。今花き産業は、花を知った日本の消費者にさらに買ってもらうため、本物の花のある生活を提案していく必要がある。そのためにはさらに高度な腕前や感性、知識を我々が備えておかなければならない。消費者が欲しがる商品と納得いくサービスを提供していくのが今やるべきことである。

投稿者 磯村信夫 : 2008年7月14日 00:00

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