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2008年9月 8日

カーネーション?日本で作りはじめて100年

エコロジーと季節感、花保ちの良さとボリュームをつける花材として、枝物は珍重されている。活け花やフラワーデザインなどお稽古需要が少なくなって、枝物の相場が出る市場が限られてきた中で、大田花きは都心の大きな空間やオフィス・飲食店などの活け込みの需要が大変多くあるので、枝物の比率が際立って高い。そしてもう一つ、都市型の卸売会社の割には比率が高いのがカーネーションである。

財団法人花普及センターによると、日本で切花のカーネーションを栽培し始めて100年だそうだ。カーネーションは花保ちが良く、スプレーカーネーションは花束やアレンジを構成する基礎の花、大輪カーネーションはメインの花として使われる。特に一本立ちの大輪はすばらしい品種が近年作出され、特別な栽培方法によるレリシアカーネーションなど、一本だけでなく二本を重ね合わせた花も出回って、女王の地位を確保している。

国産のカーネーションはこのようにがんばっているが生産が少なくなっているのも事実で、市場によってはコロンビア産のカーネーションを主力に売っているところもある。コロンビアのカーネーションは適地適作で、切花後1週間から10日経って小売店の手元に届くが、鮮度管理の良さもあって花保ちは良い。また昨年からイタリアのノビオ博士の品種が作られるようになり、地中海の花カーネーションの文化がコロンビアから発信されるようになってきた。これは日本の消費者にとっても魅力である。

中国のカーネーションは物日の仏花素材として使う人も増えてきているが、品質にムラがある。中国はコロンビアに学ばなければならない。コロンビアと中国雲南省のカーネーションは競争力がある。よって国内産地は販売委託先の卸売り会社とよく連絡を取り、出荷時期からどのような品種を誰に売るのかなど目標をともに作り上げる必要がある。

100年目にして、石油はじめ生産資材の高騰で苦慮しているカーネーション生産者は多いが、12月・3月・母の日の需要期を外してしまっては何もならない。ぜひとも経営の課題として、リスクを勘案し、生産原価アップをどこでどうやって賄うか検討し、今期の出荷を決めてほしい。その際この経営環境は来年も続くとして意思決定してほしい。

投稿者 磯村信夫 : 2008年9月 8日 00:00

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