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2008年11月 3日

地域内でしか流通しなくなった鉢物業界

今年のIFEXでは商品開発したカーボンオフセットプランツや凪、あるいはキリンさんと協業している無花粉ガーベラのフルーツケーキシリーズ、そして香りの商品等を展示した。たくさんの方々にお見えいただいたが、ちょうど接客中だったりして直接お話しできず失礼してしまった方も多かった。卸売市場、生花商というルートの日本の90%を占める流通ではない、いわゆる市場外流通を得意とする業者も多数出ていて、IFEXは見る価値がある。特に海外や国内産地からの出展ブースはなかなかのものであった。

先週開催された大切な会議は生産協会と卸売市場協会との会合であった。多岐に渡り話し合われたが、ポイントを絞るとすると二つ。一つは、鉢物の輸送運賃問題。現在、運賃の値上がりで生産者は売上高運賃比率が15%を超え、20%になる場合もあるという。だから生産者は道州制を敷いて、北海道・東北・関東・北陸など、そういった天気予報で使われるような地域内でしかもう鉢物は流通しなくなった。これをどのように他の運賃同様のレベルまで引き下げ、流通を活発化させるか、生産協会と市場協会の鉢物部会でプロジェクトを組むことになった。また、バケツ輸送は切花を鉢物化したわけなので、市場協会の切花の多い会員の参加も促すこととした。もう一つは花の消費宣伝基金の具体化へ向けての話し合いだ。市場協会の理事会を経て、全花協(共同歩調を取れないJFTDを除く、生産協会、市場協会、日花協、インドアグリーンの4団体)で行なうか、あるいは生産協会の意向を受けて、先行して生産協会と市場協会で行なうかを決める。とにかくこの機を逃しては永遠に消費宣伝活動ができなくなってしまう危機感のもと、前へ進めるということでこの会議の合意事項とした。


P.S.前年比マイナス10%の出荷量
台風がなかったので昨年相場が良かった11月、そして12月まで、冬場担当の暖地はいずれも107?110%の出荷量を見込んでいるが、11月の初旬に既に日本海側北関東以北の産地からの出荷はユリやチューリップ、ストック、ラナンキュラスを除いてほぼゼロに近く、昨年は12月も出荷されていた高冷地・中間地の出荷はストックやスナップを除きなくなる予定。となると、全体量として切花、鉢物とも前年比マイナス10%の出荷量となると考えてよいだろう。

投稿者 磯村信夫 : 2008年11月 3日 00:00

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