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2009年1月12日

文化展二つ

「生け花スピーカー」の古賀さんから招待チケットをいただいて深川にある東京都現代美術館で開催されたブラジル移民100周年記念の展示会を見てきた。ブラジルの花ビジネスではサンパウロ周辺の日系人とオランブラ周辺のオランダ系の人たちとが激しく競争をしている。花生産のスタイルも現在の日本とオランダくらいの差があり、オランダ勢が伸びていることが気に掛かるところだ。

展示会では藤原大氏とイッセイミヤケ クリエイティブルームがデザインした洋服が展示してあり、そのテキスタイルはアマゾンの森や川をイメージしたニットで作られている。そこに旧知の古賀さんが熱帯観葉植物カークリコで生け花スピーカーをもってジョイントしており、「生け花スピーカー」から発する自然の音が何とも言えぬ空間を作っている。藤原大氏と共演しているブラジル側のアーティストは有名なカンパナブラザーズで、色の魔術師と言われる現代的なアーティスト。彼らが使っていたのは何気ない空間の中で、素通しの壁にミニ観葉を配置しており、それもよく気を配った新しい部類の品種が多く入ったミニ観葉で、空間造形に色でリズムを加えたものであった。芸術家は時代を鋭敏に反映するが、どの作品を見ていても不況による不安感や絶望感は感じられなかった。ブラジルは経済と芸術、そしてお得意のストリートカルチャーをますます発展させていくことだろう。

10日の土曜日には、東京箱崎にあるロイヤルパークホテルで「いけばな大賞2008 第82回全日本いけばなコンクール」の表彰式が開催された。主催は社団法人帝国華道院であり、協賛は社団法人いけばなインターナショナルである。花き業界は農林水産省で所轄されており、しかも花き振興室が生産・卸売市場から小売りの団体まで5つの社団法人を所轄している。あとは種苗課が種苗団体を所轄しているので、植防や農薬まで含めてすべて農林水産省で話しが済む。近年、花き産業が成熟期にかかり、文化の伝承を考えたり、消費の拡大を考えたりするときに、文科省が所轄している社団法人帝国華道院や生け花の各流派との協業や社団法人日本フラワーデザイナー協会との横の連帯が必要になってきた。さらに外務省が所轄のいけばなインターナショナルのように海外に支部がある団体との連帯も不可欠となっている。

社団法人帝国華道院の理事長である関江松風氏や社団法人いけばなインターナショナルの会長である中山逸子氏に花き業界との連帯の話題を出すと、省庁間の縦割りで今まで横のつながりがなかったことを残念に思っており、今後共に出来ることがあったら、一緒にイベントなどを協賛し合い、花の文化を盛り上げてゆけば良いと話し合った。

押し花文化やアートフラワーまで含め、それぞれの花の造形文化につき、ともに協力し合えるところはし合って、個別のイベントの数を減らしてでも総合的な大きな花のイベントを作っていく必要がある。

投稿者 磯村信夫 : 2009年1月12日 00:00

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