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2009年2月 2日

日本の技・第58回関東東海花の展覧会

今年は1月30日(金)?2月1日(日)まで、池袋サンシャインシティで開催された。日本花き卸売市場協会は今年で50年目を迎えるが、それより8年前に既に開催されていた。生産者の技を競うその出来栄えにいつも深い感動を覚える。今年はまわり番で東京都が主催した。だから伊豆諸島や都下の生産者は関東東海の品評会にめがけて、例年の何倍もの力が入っていたように思う。関東東海花の展覧会で農林水産大臣賞の栄誉に浴すと、必ずその地域あげての祝賀会を催す。それほど栄誉ある会である。今年気になったのは、千葉県からの出品が少し少なかったように思う点である。適地である千葉は関東の消費者にとって欠かせない産地である。高速道路網が整備され、地域事情がかなり変わって、後継者難があると聞く。そのような中でも高い生産技術が地域に埋蔵している千葉県にがんばってほしいと思う。

関東東海花の展覧会を見に行った土曜日の夜、テレビのCSで麻生総理のダボス会議での演説を見た。アジアと共に生き、インドまで含めたアジア圏の経済活性化を日本はリーダーシップを取って行なっていく意気込みを述べたステイトメントであった。日本国の総理として誠に時局を得たものであると思った。というのは、1月21日ガイトナー財務長官の指名公聴会がワシントンであり、ガイトナー氏は民主党政権として政府の介入を為替政策の面においても辞さないことを意思表示した。また同様に中国の為替政策を名指しで非難した。アメリカは大きな景気刺激策をこの二年間でとってゆくが、その恩恵を受けるのは中国や日本を中心とした国々であってはならず、いわゆる「ただ乗り論」に警告を発し、内需を引き上げることとそれぞれの域内貿易の活発化をアメリカとして強く要望する態度を示したものであった。ガイトナー氏は、ドル安はエコニューディール政策で必要不可欠としている。中国は早い時期から4兆元(約54兆円)の内需拡大経済政策を国として発表しており、日本も早く有事における経済対策を出す必要があると私は思っていた。それがダボス会議で発表された。進路も内容も正しいものであったので一定に評価できる。そうなると花はドル経済圏の中南米の花も、ユーロ経済圏のオランダやアフリカの花も、ドル経済圏のアジア、オセアニア地域からも、日本には入りやすくなる。国内生産者は競争が激しくなるので、?製品化技術が高いこと、?円安で今まで導入できなかった海外の優良種苗を積極的に導入すること、の2つが必要となる。関東東海花の展覧会の品質レベルが日本と海外産品との棲み分けの鍵になる。

投稿者 磯村信夫 : 2009年2月 2日 00:00

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