大田花き 大田花きコーポレートサイトへ
 

« 次の局面に入った花き消費 | トップ | 2009年度大田花きの戦略方針 »

2009年3月23日

地方市場は範囲の経済

昨日、湯沢でスキーをしていたが、下のほうなどもうすっかり5月の連休のような雪の少なさだった。

今日23日の荷はこれも母の日近辺の量で、先週と同じだけあった。これだけ暖かいと思わず咲いてしまったのだろう。菊類は需要に合わせて出荷が減ったが、他の洋花はコントロールが利かず、今日ドッと出てしまった。しかし明日からの冷え込みで出荷量はおさえられ、来週からは3月も終わり4月、初夏の花が中心となっていく。

今日は需給バランスが崩れた格好での立ち合いとなるが、2009年度の花の需給バランスの基調は、需要が少なくなったり、あるいは低価格で販売しようとする動きより先に生産量が減っていったりする状況にあることは変わらないので、単価は横ばいから社会のムードに押されて安くなったとしても1割安というところに落ち着いていくだろう。

先週お話しをした個人需要主導型、特に地方の個人需要が主導して相場展開されたのが3月の彼岸相場であったが、仏花以外にも季節の小花や球根花など地方の消費者が業界を引っ張って行っている。しかし出荷物は生産量と運賃の関係から、ロットをまとめても値崩れを起こしにくい政令都市の大手市場に荷物が集まっている。したがって地方の市場は規模の経済でなく範囲の経済を行なう。この場合の範囲の経済とは、自分のところで使っていない資産や能力を使って市場業務以外の商売を行なうことだ。具体的には卸売市場の仕事をし、手の空いたときあるいはやりくりをして、仕入れて販売するという問屋行為を行ったり、せり以外にも御用聞きを行って受注販売をしたり、せりが終わった午後や通称「裏日」と言われる翌日に暇を持て余さぬよう花束や鉢物の加工をしたりする。このついでビジネスを範囲の経済と言っているが、地方の市場は範囲の経済をやりだしたわけだ。こうして地方の花き流通は形を変えながら進化していっている。地方ほど卸売市場がいろいろな仕事をし始めている。まだやり始めたばかりなので、仲卸や加工業者などと競合していくと思われるが、今後どのようなコストパフォーマンスを行なえるかによって多角化の成功がかかっている。これから競争は激しくなろうが地方の卸健在ということである。

投稿者 磯村信夫 : 2009年3月23日 00:00

Copyright(C) Ota Floriculture Auction Co.,Ltd.