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2009年5月18日

2008年度決算概要

ここのところで株主総会があり、地方市場や仲卸の決算を見ることがよくある。幸いなことに、私のよく知る会社はわずかでも黒字決算で終わったが、配当までは覚束ないというところも中にはある。営業利益率で1%確保できなかったところがほとんどで、卸売市場にあっては需要減で単価安。業績不振のスピードが速く、経費削減策が後手にまわってしまったことによる営業利益減である。仲卸は仕入れて売る再販業者だから、卸売市場よりもこのような縮小均衡とデフレの中では経営がしやすい。人気のものなら多少高くても仕入れれば不良在庫にならない。欲を出しすぎると廃棄ロスが出て収益を圧迫する。卸の場合は収入が相場で変動する。経費は固定費がほとんどだ。仲卸は、経費は固定費がほとんどだが、仕入れ費用は相場によって変動するが、売価の変動幅は仕入れの変動幅より少なくさせることができる。そこで利益が出しやすい。小売商の場合は売価は定価がほとんどだから、仕入れ経費が変動するだけだ。その仕入れ経費の変動も大体がデフレ基調だから安くなる。店売りが落ち込んだとすると仕入数量を減らす。皆が減らそうとするから荷が余り、今までよりも仕入単価が下がる。こうやって小売商は苦しい中でも利益を確実に確保した。スクールをやっている花屋さんや花束加工業者も「荷主さんは大変だろうな」といいながら利益を出している。2008年度決算は種苗、生産、市場と川上が大変悪く、仲卸から下流の川下は今までと同じ運営はできないが、生き残っていける決算であった。今後経費を削減する、売り上げを伸ばす、需要に合わせて経費を弾力的に減らしたり増やしたりする。この3つしか利益を出す方法はない。今年、来年は少なくとも、人によっては再来年まで困難な状況が続くとしているので、どのようにその時々の状況に対処していくか、この三つの手法を使って、泳ぎきっていくことが必要だ。

投稿者 磯村信夫 : 2009年5月18日 00:00

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