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2009年6月 8日

長い目で見ること=信用

先週新潟市の大凧合戦を見に行った。日本の素晴らしさは何百年も続く行事が国中にあって、若い人たちが中心になって運営をしていて、それが地域の活気となっていることだ。経済上むずかしい時期であるが、地元の会社や商店の人、もちろん地元の新潟みらい農協もこぞって協賛し、会社の社長も若者たちに勤務中だろうとも手伝いをさせている。こういう地域活動や事業活動が日本の持ち味だ。長い目で見て仕事をするということは、あらゆる仕事が社会性を帯びてくる。取引先や自分だけでなく、社会にとってこの仕事は有意義なものなのかを問うことになる。そして店主はやりがいを再確認し、従業員と一緒にさらに一所懸命仕事に打ち込む。商人も商人道を身に付けることになる。

しかし近頃、社会に迷惑をかける恥ずかしい商いがあるのが残念だ。業績が思うようにいかなかったり、個人としてお金に困ったりすると、社会に反することをやったり、目先のことだけで判断したりすることが多くなりがちだが、それは気をつけなければならない。ときによって多少事業を縮小してでも大凧合戦のように長く仕事を続けることを考える。不易な価値があり、大凧合戦も事業も時代に合わせていく。チャンスと見れば拡大する。時の風に吹かれて生きるのだ。


今時代は一つの節目で、人間の活動は地球の自己浄化能力を上回る程になってしまった。だから我々は二酸化炭素の排出を削減しようとしている。私はCO2マーケットについて甚だ懐疑的な目で見ている。誰がCO2を計って、だれがその測定値をオーソライズしたのか。大田花き花の生活研究所でもカーボンオフセットプランツを販売している。何ヶ月もこの植物の炭酸ガスを酸素に変える力を測定した。測定した上で販売しているが、これも一定の条件の下にである。甚だCO2マーケットやカーボンマイルに胡散臭さを感じていたら、先週朗報が入ってきた。OECDで環境へのインパクトに対する計測のワーキンググループを作ることになったそうだ。待ちに待った基準が出来、ようやく共通のものさしができる可能性が出て来たのだ。商売が先行していて誰もが納得する基準がないのはおかしなことだが、一刻も早く基準を創り、広めてほしい。これができれば日本の農林業多面的な環境価値が計れるようになる。

投稿者 磯村信夫 : 2009年6月 8日 00:00

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