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2009年9月 7日

おかげさまで20年

明日9月8日は大田市場花き部開場20周年のせりが行われる。この20年間、日本の花き業界は成長期から成熟期へと進展し、今業界上げて個人消費の定着に目標を定め、ルネッサンスを起こそうとしている。

20年前の1990年9月8日(土)、弊社大田花きで日本で初めての機械せりが行われた。最初のせりを土曜日にしたのは、不慣れで万一混乱が起きたとき、修復作業を日曜日の午前中まで終えれば月曜日のせり準備に間に合うためである。一週間経ってようやく人心地が付いたものの、それまで寝る間もないほどの慌しさであった。よく荷主さんも買参人さんも嫌にならず、継続してご支援してくださったと感謝の気持ちでいっぱいになる。

私はそれまで長い間せりをしてきた。せり人は仕入れで値段の差をつけないよう、例え同じものが10口以上あったとしても同じ値段で通すのが良いせり人だ。できるだけ一物一価にしようとするのである。そのためのテクニックはいろいろあるが、決してすべて早いもの順というわけにはいかない。せり台の前に群がる買い手に順番が早いからと落としてしまうと、当然手が引っ込む。手が引っ込むと自分のせり台の前から人がいなくなる。賑やかにやっているから、ひな壇の上に座っている大手も品物を欲しくなる。閑散としてしまっては、欲しい気持ちも冷めてしまうのだ。このことに疑問を感じていた。取引所の価格決定はニュートラルな行司役がすることが重要だ。結局、消費者がほしがっているものが高くなって、それを知った生産者は量を多く出荷するようになる。やがて値段が少し下がり、今まで買えなかった人も買えるようになって消費者は喜ぶ。生産者も喜ぶ。こういったニュートラルな行司役をコンピュータシステムを介在させることによって、また買参人がボタンを押すことで相場形成される花き産業にできればと思って、当時のNKK様とともに日本のせりシステムを作り上げた。これにより大田花きは実際の取引を取引関係者が瞬時に見ることができるシステムを提供し、取引結果を蓄積して未来予測のための統計まで使えるようにして行った。ITの発展が商流、物流、お金の流れ、そして情報の流れを促進させ、今大田花きは日々15,000アイテムの花を扱う日本の切花相場の指標を生み出す卸として仕事をさせていただいている。サービスの進化は決してとどまることを知らない。変わらないのは取引を通じて、花き業界の主役は生産者と消費者、そして準主役が小売店。この三者が持てる力を発揮してすばらしいパフォーマンスをしてもらいたい。そのためのお手伝いをさせてもらいたいという情熱だけである。この情熱は今後も変わらない。

投稿者 磯村信夫 : 2009年9月 7日 00:00

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