大田花き 大田花きコーポレートサイトへ
 

« 総合卸売市場の活躍期待される | トップ | フローラルアートに取組む姿勢 »

2010年2月15日

東京都の出荷奨励金対象

この週末、関東地方ではあいにくの天気で、バレンタインデーの花の売上を見込んだ小売店も予算を若干下回ったようだ。日本でもチョコレートでなく、花を贈る「バレンタインデーは花の日」という機運はずいぶんと盛り上がってきたが、おかしいことに花き業界ではお返しのホワイトデーに花を贈ってもらえばよいとプロモーション活動は本格化していない。

バレンタインデーの頃になると東京でも河津桜が咲き出す。うちの近くの水神公園にもあって、その桜に足を止めたり、写メールをする人たちがいる。大田市場の花き部にも河津桜が3本あって花をつけている。これは伊豆太陽農協からのプレゼントで一足早い春を届けてくれている。

この河津桜が咲く頃、毎年東京都内の花の卸売市場が産地の荷物をどれくらい扱ったか集計が出る。これによって東京都に出荷奨励金の対象団体になったかならないかを報告し、なったところには出荷奨励金を支払う許可を得る。具体的には都内に5つの中央卸売市場8社の卸売会社があり、地方卸売市場が8社ある。この調べを行うのは東京都花き市場卸売業者連絡協議会取引検討委員会で、代表と事務局は東京都花き市場協同組合から出している。都下の16社の卸売市場に前年の1月?12月の切花共撰共販のみ(個撰共販や鉢物を除く)税抜金額を報告してもらい、その総額を把握する。県連や対象となりそうな農協には卸売市場各社からの報告をチェックしてもらう。その年の暦年の総額が税抜きで10億円を超えた県連、そして単協で1市場5億円を越えた農協にはこの連絡協議会から東京都に届けられ、出荷奨励金対象団体の認可を受ける。それを連絡協議会は参加の卸売会社に報告し、その年の4月から3月末までの売立代金の3/1000を出荷奨励金として支払う。バーが10億円となっていること、条件で切花の共撰共販の出荷物の代金であることとなっている。
かつては切花の共撰共販を推進するために青果と同様、出荷奨励金を設けたのではないかと思われる。

また完納奨励金については、青果は毎3日後に払わなければならないわけで、青果の送金実務は大変な労力を費やしている。それが出来るのも買参人組合ごとに、組合員に代わって卸に支払う代払制度が確立しているからだ。花の場合、北足立市場の花き部ができ、90年大田市場花き部の開場に際し、当時青果のような代払組合を作っていこう、そのための事務手数料や設立基金の元を積み立てるためにも完納奨励金が必要だということで中央卸売市場の花き部では最後に出来た世田谷市場まで買参人に完納奨励金を支払ってきた。しかし2004年の新市場法の履行、そして2009年の手数料の自由化を踏まえ、新しい体制下の各種奨励金を見直したとき、買参人に対しては当初の目的である代払制度が今後とも出来ないとの東京都花き振興協議会での合意の下、完納奨励金は2009年3月末をもって順次終了することとなった。しかし産地助成につながる出荷奨励金は卸売市場の集荷の利便性のみならず、産地のマーケティング活動に使用されている実情を踏まえ、従来どおりの制度を運用することで都と合意している。産地においては、出荷経費は高止まりしたままだが、単価はデフレ気味で大変苦しい状況であろう。ぎりぎりのところまで来ているので、手取りをこれ以上減らさないためにも運賃を節約し、道州制の地元の中心都市に荷を出すことが多くなって、わざわざ東京までと考え出荷しない産地が増えてきた。こうなると都内の卸売会社の対象となる産地は増えないかもしれない。それでは都民も私どもも困るので、ぜひとも都内のどこの市場でもよいから出荷していただき、都内10億円を達成していただきたいと思う。

投稿者 磯村信夫 : 2010年2月15日 00:00

Copyright(C) Ota Floriculture Auction Co.,Ltd.