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2010年5月17日

打って出る

17日まで西武ドームで「第12回国際バラとガーデニングショウ」が開催されている。今年から日本ばら切花協会もこの会場で品評会を行い、バラのイベントとしてはまさに世界最大のバラ展となった。昨日は昼過ぎに西武ドームに行ったが、会場が押すな押すなの大盛況で、嬉しかった反面、もう少し空いているときに見に来ないとせっかくの苦心作が味わえないと反省した次第。賢い消費者になっているから、物販はサブプライムローン問題以前とは異なり、抱えきれないほど買っていくという人はほとんどいない。良いものを自分の家で楽しみたいと自分の分だけ買っているのが買い物行動であった。

バラ展だけではなく、東京では新宿高島屋で「マミフラワーデザイン展2010」が開催されている。今年は"クラシサク。"というテーマで、マミフラワーデザインスクールの主任教授の先生方の作品が出品されていた。こちらも混雑していて、気に入った作品を立ち止まってじっくり見るというわけにはいかなかったが、まさに見ごたえのある作品ばかりで、室内だというのに五月晴れで澄み切った空気の中を歩いているようなそんな印象を得て、足取りが軽くなった。レベルが高く新しさを発見できる花のイベントは多数の一般消費者をひきつけて止まない。今後とも大きな花のイベントは集客が得られるとの確信を持った次第である。


話は変わるが、新宿高島屋に来たからせっかくなので伊勢丹に立ち寄った。ファッションの伊勢丹は中国や韓国の人からも大変な人気を博しており、衣料品など彼らが買い物する場所としてよく知られている。大田花きの研修所が御殿場にあり、歩いて10分足らずのところにアウトレットモールがあるが、そこも中国や韓国の人たちが箱根に行った帰りに寄る場所だ。偽物の心配をしなくて良いし、本国で買うより安いからここで買うと言う。

韓国はグローバリゼーションとIT革命で、一歩抜きん出た存在になっている。アメリカやEUともFTAを結び、日本には輸出補助金をつけてバラやユリを輸出してきている。GDPの40%以上が輸出で、今後とも輸出で稼ぎ、農業は補助金政策を採っていく。アメリカと同様、世界で最も授業時間が長く、大学進学率も高い国で、スカンジナビア半島と同様、世界最高レベルの高学歴な人たちが働く国である。また中国は外資を受け入れ、国の安定は経済成長8%以上にあると行政府は考えているから、ますます経済成長に弾みがつく。中国は大きな国でアメリカと同様、所得格差が著しくなっているが、韓国はスカンジナビア諸国、日本やバルト海沿岸諸国の次に所得格差の少ない国である。しかし韓国とても21世紀になって所得格差が出てきている。

伊勢丹の話しに戻すと、女性のものは詳しくないので、男性のもので話すと、ディオールオムやドルチェ&ガッバーナなど最先端のブランドを彼らがチェックしているのを見る。アジアの中ではこの2国はグローバリゼーションに適応し、楽観的に考え、経済成長で抜きん出た存在になろうとしている。グローバル経済時代に適合した因果律で、今後しばらく躍進していくに違いないと彼らの買い物行動を見ながらそう予感した。日本はヨーロッパ諸国と同じように内向きなままで変革できなければアジアの中で取り残され、せっかく良いものをこんなにたくさん持っているのに、宝の持ち腐れで終えて衰退してしまう可能性すらあることを自覚する必要がある。これは縮小均衡になりかねない花き業界にも言えることである。MPSの資格を取る。採花日・仕入日を明示して販売する。花保ち保証をする。Walk the Talk. 有言実行。方向は示されている。

投稿者 磯村信夫 : 2010年5月17日 00:00

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