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2010年5月24日

団塊の世代の牽引力に陰り

それだけ花が動いたということであろうか、母の日以降の花の荷動きが重い。子どもたちからプレゼントされた花をお母さんは大事に飾っているのだろう。今年はバラの切花も鉢物も母の日の需要期に出荷が間に合わなかった。そこで母の日の翌週からバラの単価は下がったわけだが、母の日でプレゼントされた花が家にあるという以外に、団塊の世代のトップを切る昭和20年生まれの人たちが65歳になって仕事を完全にリタイアし、家族によっては年金生活家族になり、支出を控える人が増えたのではないかと思われる。近頃のゴールデンウィークや母の日は第二の人生を前にした団塊の世代中心にお墓参りが活発で、90年代のように菊類が安くならず、むしろ堅調市況となっている。昭和20年生まれの団塊の世代のトップが65歳になり、仕事をリタイアし、生活スタイルが今までと変わった。もし団塊の世代が全員65歳以上になると、今でも全国の高齢者の中で三大都市圏在住者の占める割合が50%であるのに、その比率はさらに高くなっていく。貯蓄を取り崩して生活する高齢者が多いとなると一体だれに花を買ってもらえばいいのか、今から目標を定めていく必要がある。ではどういう切り口でマーケットを見たらよいのか。

花は女性が買うか買わないかを決めることが圧倒的に多いだろうから、女性の商品という切り口で見るのが良いだろう。女性は例えハウスワイフでも1人何役と忙しく活動する。忙しい女性を手助けする花を商品開発しなければならない。組み合わせを選ばなくてもいいような出来合いの花束やアレンジメント、買って帰ってそのまま飾れる花瓶付きや器付きの花束。一週間に1回や二週間に1回取り替えてもらえる活けこみサービス。事前に年間予約が出来る時間指定お届けサービス。商品にしてもサービスにしても、その女性の予算やライフスタイルに合わせた新しいサービスを開発しなければならない。ネットで受け付ける。ケータイで発注が出来るということも大切だ。年代のターゲットとしては、ここ5年で団塊の世代が老齢化した後はその頃ほとんどの女性は家族が許す限り働いているから、働く女性が花のある生活ができるよう、団塊ジュニアの家庭に花を買ってもらえるような商品や受発注システム、流通チャネルが必要となっている。

今は結婚式のとき、新婦の教養として生け花は○○流とお仲人が紹介した団塊の世代以上の人たちが花を買ってくれている。その団塊の世代が5年以内に所得が少なくなることを思うと、あせっても仕方ないが花き業界はこのままでいいはずがない。変化を求められているので少子高齢化とグローバリゼーションにあわせた対応を業界の各分野で的確にしていきたいと思う。

投稿者 磯村信夫 : 2010年5月24日 00:00

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