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2010年10月11日

研修

モノやサービスが売れにくくなって、その分「ああでもない、こうでもない」と日々の仕事が忙しくなっている。売れなきゃ寝てれば良いと言っていた時代は良い時代だった。目先のことにあくせくする毎日だが、これではいつまでたっても流されて毎日終わってしまう。これを脱出するには、企業内研修が必要だ。

大田市場花き部では先週の6日水曜日、公益法人日本フラワーデザイナー協会(通称NFD)の花ファッション委員会のチームによる2010年秋冬デザインのトレンド勉強会が開催された。NFDは文科省の所轄だが、私は日本の花き産業の先頭にいて、今日的な人と花との関わりを、フラワーデザインを通して絶えず切り開いてくれている協会だと尊敬している。その花ファッションのデザインチームがお花屋さんの店頭で売れるフラワーデザインを目の前で作ってくれたのだから、専門店や仲卸、卸の社員の悦びや感動は高く、出来上がった作品をセリ室上の中央通路で展示したが、写真を撮るのにも大変なほどだった。大田市場で働くもの、大田市場で仕入れる人は、築地市場の人と同様の自負がある。NFDと大田市場と合同の勉強会は、「俺がやらなきゃ誰がやる」と参加者のみならず、大田市場に出入りする者の心に火をつけた。

研修というと知性とか理性に訴えかけ、磨きをかけるかのように思っている人がいるが、感情に訴えかけ、情熱の火種を燃え盛るようにすることが研修だと考えている。
心理学者ジョナサン・ハイトは私たちの感情は「象」であり、理性は「象使い」だと言ったが、「象」が私たちの感情が行動を起こす。「象使い」と「象」が一体化して、思い行動する。「思ったことしか実現しない」「やったことしか実現しない」「散歩のついでに富士山に登ったやつはいないのだ」。

大田花きでは静岡県御殿場市に研修所がある。そこで当社のバイブルである"Future Vision"と"メタセコイアになる"を繰り返し、繰り返し学ぶ。またこの秋から群馬県赤城で農業実習を行うべく宿泊施設を借りた。商売の基本といわれる「創って作って売る」を実践するためである。研修は会社の大きさに関係なく行う必要がある。研修は「象」を良き方向へ導く、「心志を養うのは養の最なり」であるからだ。花き業界のリーダーよ、後輩に研修をさせてやってくれ。それが花き業界を産業として整える。

投稿者 磯村信夫 : 2010年10月11日 00:00

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