大田花き 大田花きコーポレートサイトへ
 

« 震災から産地名を記すようになってきた | トップ | 震災の余波でもまぁまぁだった母の日 »

2011年5月 2日

消費戻る

ゴールデンウィークに入り、関東地方はようやく人出が戻ってきた。需給ギャップはあるものの、繁華街に人が溢れ、安近短の温泉地やリゾートホテルなど割引セールもあってか、久しぶりの賑わいを見せている。節電にも慣れて、暗くて何か怖いという場所が少なくなってきた。これも消費回復につながっている。

4月の花の小売店の業績を見てみると、冠婚葬祭の通称「仕事屋」は苦戦を強いられた。特に結婚式は自粛でキャンセルが多く、半分にも満たないところが多かった。葬儀も近年家族葬に近い規模の葬儀が多くなり、今年に入ってようやくつながりを大切にした人の尊厳をもった100人以上の規模の儀式に振り子は戻ってきていたが、大震災以降、4月は内々でと規模は縮小した。売上は例年並かやや落ちるものの、利益率が上がり決して悪くなかったというのが店売りを主体にした小売店である。切花も鉢物も例年よりやや悪かった程度で、少なくても利益で見た場合、昨年より改善している。卸、仲卸では当初の予定通り売上で80%台だったところが多い。各社とも目標は70~80%であったから、いずれも目標を達成し関東地方では思いのほか消費の回復は早いと見て良い。

それにしても、昨年まではゴールデンウィーク中に結婚式をすると出席していただく方に迷惑だと考えて控えたものだが、今年は4月29日からゴールデンウィーク中にかけての結婚式がある。3月、4月と出来なかったから、そこに入れているという人が多いのだろうか。母の日前なのに結婚式で使われる花が相場を引っ張っている。それとこれは案の定だが、お墓参りに行く人が多く、仏花が良く売れている。オーソドックスな菊を中心にした仏花はもちろんのこと、季節の花やバラやユリなども含めた多様な花が使われていて、普通の花束なのか仏花なのかほとんどわからなくなっている。

原発が気がかりだが、消費は戻りつつあり、あとは震災後の共通の目標である「これから100年もつサプライチェーンを再構築する」に向かって花き業界は進むだけだ。

投稿者 磯村信夫 : 2011年5月 2日 00:00

Copyright(C) Ota Floriculture Auction Co.,Ltd.